兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年4月05日(1651号) ピックアップニュース

統一地方選挙にあたっての開業保険医の要求(案)

2011年3月 兵庫県保険医協会

 4月の統一地方選挙にあたっての開業保険医の要求(案)を掲載する。

1、医療・福祉制度を拡充すること

 (1)2009年度から行われている老人医療費助成制度の改悪を中止し、65歳以上の高齢者は1割負担となるよう医療保険制度との差額を助成すること(65歳以上75歳未満まで拡大し、自己負担額は75歳以上の1割負担と同程度とすること)。所得制限を元に戻すこと
 (2)国保への一般会計からの繰り入れを増やし、高すぎる保険料(税)を是正すること
 (3)国民健康保険法44条について、柔軟に運用を行うこと
 (4)2012年度から県が行うとしている乳幼児医療費助成制度や子ども医療費助成制度、重度障害者医療費助成制度の所得制限の「世帯合算」による判定をやめ、所得制限をなくすこと
 (5)入院給食費助成を元に戻すこと
 (6)福祉医療対象者の薬局における患者負担を廃止すること
 (7)予防接種事業は原則無料とし、全員が平等に受けられるようにすること
 (8)介護保険制度の保険料・利用料について独自の減免制度をもうけること。マンパワーの増員や特別養護老人ホームの増設、在宅ケアのための住宅改善などを行うこと

2、開業保険医が十分な診療をできるように

 (1)保険診療に関する監督責任のある県として、次のことに留意すること。審査・指導は「行政手続法」の趣旨にもとづき行わせること。主治医の裁量権を尊重し、医学・医療内容を無視した経済審査や強権的指導・監査を是正すること。事務職員による医療内容の点検関与、レセプト点検の民間委託はやめさせること
 (2)医療廃棄物処理について公費助成を行うこと
 (3)看護師・助産師・介護福祉士の不足を解消するための施策を実施すること
 (4)成人歯科検診や妊産婦歯科検診など、歯科における予防制度を確立し、県下全自治体に歯科検診・予防活動のセンターとなる口腔衛生センターを設立すること
 (5)国に対して医療機関への事業税非課税措置の撤廃を求めず、医療機関の公益性を認めて非課税措置を堅持すること

3、公的医療機関の機能を充実すること

 (1)県立病院は引き続き県立・県営での拡充を行うこと
 (2)県立病院の職員削減計画をやめ、一般会計からの補助金を増額すること
 (3)県立尼崎病院と県立塚口病院の統廃合については、基本計画通り小児救急や周産期医療を充実させた病院を建設すること。県立塚口病院の跡地に有床の医療機関を設置すること
 (4)県立こども病院のポートアイランド移転と「アジアの小児医療の拠点」化を行わず、現地改修を行い、県民本位の小児医療を引き続き行うこと
 (5)公立病院の無理な集約化の促進をやめ、医療関係者と住民、地元行政の合意を尊重すること。医師を確保するため直接的な助成を行うこと
 (6)結核の治療、検査体制を整備すること
 (7)神戸市と兵庫県は国に提案する「ひょうご神戸医療・サイエンス国際特区」で、医療の安全性をないがしろにする「高度医療に関する権限の委譲」や医療の産業化につながる規制緩和を盛り込んだ申請を行わないこと
 (8)医療の産業化を進める医療ツーリズムやTPP参加に反対し、粒子線医療センターを医療ツーリズムに利用しないこと。医療ツーリズムを前提としたKIFMEC病院の法人設立認可を行わないこと

4、震災復興要求

 (1)東日本大震災の被災者支援に全力を尽くすこと
 (2)東日本大震災被災者の生活再建を国の責任ですすめるよう要求すること
 (3)被災者生活再建支援法の改正を踏まえ、阪神・淡路大震災被災者の暮らし再建・救済のために特例措置を講ずること
 (4)災害援護資金、各種震災関連融資の返済条件を緩和すること
 (5)被災者生活再建支援法の支援限度額引き上げ、半壊・一部損壊世帯・住宅店舗への適用拡大、災害規模による適用条件の廃止を国に求めること
 (6)民間医療機関の耐震診断、耐震補強に助成すること
 (7)借り上げ復興住宅から被災者を追い出さないこと

5、不必要な公共事業をやめること

 (1)赤字の但馬空港や批判のつよい神戸空港など無駄な公共事業への支出を抜本的に見直すこと
 (2)関空-神戸空港間の海底トンネルや播磨臨海地域道路などの無駄な公共事業計画を抜本的に見直すこと

6、県民のくらしと平和、民主主義を守ること

 (1)非核自治体宣言を行うこと
 (2)非核神戸方式を全国に広げることに努力すること

7、国にむかって要求すること

 (1)国民皆保険制度の崩壊を招く混合診療や株式会社による医療機関運営に反対すること。診療報酬を改善するよう要求すること
 (2)国庫負担を削減する医療制度改悪に反対し、国と企業の負担で医療保険制度の再建を要求すること
 (3)窓口負担を子どもとお年寄りは無料に、現役世代もせめて2割にするよう要求すること
 (4)医師不足を解消するため、医学部の定員の抜本増と教育体制の充実を要求すること
 (5)消費税の増税に反対すること。医療をはじめとする生活必需品へのゼロ税率適用を要求すること
 (6)国が進める国保の広域化に反対し、国庫負担の抜本的引き上げを求めること
 (7)国が進める新しい高齢者医療制度導入に反対し、老健制度にいったん戻すこと

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