兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年5月15日(1686号) ピックアップニュース

歯科医療安全研究会 感想文 「起こるかも」念頭に

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歯科医師や衛生士ら126人が参加

 歯科部会は4月15日、神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科准教授の上原弘美先生を講師に、医療安全管理対策研究会「歯科医院における医療安全管理対策」を開催。会場いっぱいの126人が参加した。セコム株式会社が協賛し、AEDのデモンストレーションも行われた。感想文を紹介する。

 上原弘美先生は、現在は神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科で歯科衛生士の育成に携わっていらっしゃいます。それまでは市民病院歯科で歯科衛生士として長年活躍されていたとのことで、われわれにとってはとても身近な立場で、説得力を感じました。
 100%安全な医療などないということで、医療事故対策や緊急時の対応等は、まずは「そういうことが起こるかもしれない」ことを予想して対策を立てておく。現場においても、加熱の器具や鋭利な器具の取り扱いの注意、誤飲・誤嚥の注意、患者誤認のないよう確認、診療所内やユニット上での事故等が起こらないように注意など、これまで以上に気を抜かず目を配ることを再確認しました。
 そして院内感染対策についても、基本である〝手の衛生〟〝ハウスキーピング(環境の整備・清掃、滅菌の管理)〟は、個々の認識とチームワークが必要です。大病院ほどの設備や環境は整いませんが、幸い、わが診療所には、夕方の忙しい時間帯に洗い物や消毒、そして細々としたガーゼやワッテや咬合紙、滅菌袋等を用途に応じて切ったり、小分けして滅菌したり、作り置きしてくれる縁の下の力持ち的裏方スタッフもいます。
 今回の講習会は、衛生士、助手はもちろん、裏方スタッフに学生のバイトまで診療や消毒にかかわるほぼ全スタッフが参加させてもらい、その後、改善点など実行しているところです。今後も、「これでよし」とせず、皆でさらなる改善・継続が図れたらと思います。

【北区・井尻歯科クリニック 歯科衛生士 木下 智子】

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