兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年10月25日(1701号) ピックアップニュース

反核医師近畿懇談会・市民学習会 参加記 韓国の反核医師と懇談 ともに運動を進めよう

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講師の先生と記念撮影。右から青木克明全国反核医師の会常任世話人、松井和夫同常任世話人、原和人同代表世話人、金益重先生、筆者

 保団連近畿ブロックは9月30日、京都府保険医協会会議室で第14回反核医師近畿懇談会「韓国の核兵器廃絶運動の現状と今後」を開催した。講師に韓国反核医師の会の執行役員で東国大学教授の金益重(キム・イクチュン)氏を招き、35人が参加した。前日29日には同氏を講師に、市民公開講演会「韓国の原発問題」をキャンパスプラザ京都で開催し、40人が参加。協会からは加藤擁一、林祐介両副理事長が参加した。加藤副理事長の参加記を紹介する。

 9月29、30日と京都で開かれた、保団連近畿ブロック市民公開講座および反核医師近畿懇談会に参加してきました。両方の会議とも、韓国反核医師の会の金益重(キム・イクチュン)氏が、主として韓国の原発問題を講演されました。なかなか興味深い内容でしたので、かいつまんで紹介いたします。
 韓国でも日本と同様に、国策として原発が推進されており、現在23基の原発が稼働しており、将来は50基以上の原発大国をめざしているとのことです。住民には安全神話がふりまかれ、補助金による懐柔策などで、大きな反対運動もないまま建設が続けられてきたそうです。
 しかし、福島原発の事故以来、韓国でも世論の変化が起こりつつあり、反核医師の会も昨年結成、金先生たちが中心になって精力的な運動が繰り広げられているところです。日本とまったくうり二つのような状況ですが、韓国の方が総電力の原発依存度ははるかに高く、しかも釜山のような大都市のすぐ近くにも平気で建設されており、事態は深刻のようです。
 29日夜には、懇親会にも参加させていただき、打ち解けた懇談をさせていただきました。日本料理とお酒が気に入られたようです。日本の原発が、まだ現在のレベルにとどまっているのは、半世紀以上の草の根の住民運動と反核運動の力によるものだと伝え、激励しておきました。
 日本と韓国は、不幸な戦争のせいで、いまだ「近くて遠い国」と思えるところも多いのですが、反核・平和運動に国境は要りません。同じ東アジアの一員として、今後とも協力しあって運動を進めていきたいものです。
 台風接近の悪天候の中でしたが、非常に有意義な会議だったと思います。
【須磨区・歯科 加藤 擁一】
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