兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年6月05日(1720号) ピックアップニュース

燭心

 将棋の名人戦7番勝負がたけなわである。第4局の時点で、森内名人3勝、羽生挑戦者1勝、本紙面ができ上がる頃にはどうなっているのか、楽しみなところだ。我々ヘボ将棋のレベルではとても理解できないだろうが、最高の頭脳が長時間辛吟して何を考えているのか、そっと覗いてみたい気がする▼最近、コンピューターが現役のプロ棋士を打ち負かした。チェスはすでに数年前、世界チャンピオンがコンピューターの軍門に下ったとか。なるほど暗記力や検索力では、人間の脳はもうかなわないだろう。膨大なデータを元手に、ドジもポカもしないような対戦相手じゃ、たとえ名人だってやりにくかろう▼話は変わるが「マイナンバー法」が成立した。様々な個人情報を国が一元的に管理するという。利便性が強調される一方、情報漏れや悪用を危惧する声も強い。医療界では、一足先にレセプト情報がオンライン化され、早速「突合・縦覧点検」なるものが行われだした。医療費削減のため、何カ月もさかのぼってデータをチェックするという▼急速に進化をとげるコンピューター、国民を管理・統制するための道具にしてもいいのか、やるせない思いが募る。将棋の話に戻るが、私たちが見たいのは「人間の力」による闘いであり、心の葛藤の結晶の棋譜だ。レセプトとて私たちと患者さんの思いが詰まった棋譜、闘いの記録でもある。人間の心を取り戻す審査・指導を求める運動を「次の一手」にしよう(星)
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