兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年6月25日(1722号) ピックアップニュース

燭心

 人類史上最大の国家は中国である。人口、版図はんと(領土)。易姓革命(王朝交代)とはいえどいん、以来4千年以上の歴史。その国の代表者 習近平主席が、世界最強の軍事力を持つ米国オバマ大統領と首脳会談を行った(G2)▼漢民族国家たる明の永楽帝の時代、鄭和は数百隻の大船団を率い、1405年から1433年まで7回も大遠征を行った。船体が120mもある船もあり、乗組員は2万8千人に達していた。中世の中国は鋳鉄、磁針、時計、火薬、造船技術、航海技術等々の分野で世界をリードしていた。刮目かつもくすべきは、西欧が大航海時代に入る百年も前に行っていたことである。この大船団はヨーロッパのような侵略、略奪目的でなく、朝貢を求めるだけであった▼ところが、明朝の国内事情のため、中国によくある政治的統一の悪しき結果で外洋航海は禁じられ、造船所は解体され、優れた技術はすたれ消失したが、この歴史的事実は中国人にとっては誇りだろう。その後、アヘン戦争以来、屈辱を受け続けた150年間であった。近年、経済成長に伴い莫大な軍事費を投入し、海洋進出を続けている▼今後、人類史の流れを変える両大国である。米中首脳会議は2人の大男が将棋台(チェス台)の前で差し合い向かい合って、対面しているように見える。台の上には将棋盤でなく世界地図が敷かれていて、大国のエゴで弱小国が将棋の駒のように、振り回される時代が来るのは真っ平御免こうむりたい!(鼻)
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