兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年7月05日(1723号) ピックアップニュース

燭心

 生活保護法改悪案が、まともな審議もされず衆議院で可決された。保護申請を必要とする人を阻む大改悪だが、審議されない原因は、昨年「社会保障制度改革推進法」が議会制民主主義を無視した形で、民主・自民・公明3党の合意で成立しているからだ。この法律に〝附則第2条〟として生活保護制度の見直しが記されている▼日弁連はこの推進法に対し、(1)社会保障制度の利用が恩恵ではなく権利である(2)憲法25条に基づく基準でなされるべき(3)国および自治体の情報開示、説明責任がある(4)簡易迅速で実効的な異議申し立てや公的な援助を受ける権利を有する‥等々を指摘し、憲法に抵触すると警告した▼生活保護法第1条〝この法律は、日本国憲法第25条に規定される理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする〟特に最後の部分が最も重要だ▼憲法99条に明記されているように憲法を遵守すべき国会議員が、国会で十分に論議することなく、国民の審判を受けることもなく、憲法に抵触する法律を創りあげている。これは異常事態と言わざるを得ない▼憲法98条〝この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない〟...やはりこの国の憲法は偉大である。これを活かすべし。(無)
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