兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2014年8月25日(1759号) ピックアップニュース

燭心

 集団的自衛権の行使容認が閣議決定されたのが7月1日、およそ2カ月が経過した。1年以内に施行されるとした特定秘密保護法、施行の日まであとわずか3カ月余り。政府はもちろんマスコミも沈黙したまま、何か昔の出来事のような扱い。国民はどれだけ理解を深めたか?異様な状態に気付いてないのか▼しかし全国7千の〝九条の会〟をはじめ日本の良心は根強く動いている。地方議会では反対の意見書を決議したところは190に及ぶという。有識者、宗教、司法など多くの団体が反対決議を表明している。マスコミはなぜ動かぬ、ジャーナリスト魂はどこに行ったか▼この8月は平和を考える上でリアリティに富む。『早く戦争を終結し犠牲者拡大を防いだ』とされる原爆。実際には敗戦が決定的な日本にプルトニウム爆弾の実験を行ったのだ。同じような地形と規模でウラニウム爆弾と比較した。今でも被爆者は苦しみ、福島の原発事故と重なる▼8月15日は終戦記念日、玉音放送があった日である。実は「敗戦記念日」ではないか。韓国では「光復節」、北朝鮮では「祖国解放記念日」として日本による朝鮮半島統治からの「解放」を祝う。何やら物騒な日の丸を掲げた街宣車がうるさい。何を鼓舞しているのか?「敗戦」を賛美しているのか▼元防衛官僚の柳沢協二氏は「日本は異常な国だ、敗戦国でありながら70年間謝ったことがない」と。歴史に学び行動をただす。今こそまさにその時ではないか。(無)
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方