兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年3月05日(1776号) ピックアップニュース

但馬支部が養父市長と懇談
南但馬の中核として公立八鹿病院の充実を

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広瀬市長(左)に要望書を手渡す新田但馬支部長(中央)、谷垣同支部長代行(右)

 医師不足が深刻な南但馬の中核病院であ公立八鹿病院で、一昨年就任した病院管理者が、病院赤字の原因を勤務医の努力不足などとして経営改革を強行。何人もの勤務医が辞表を提出し、病院医師・職員が管理者罷免を要求する嘆願書を養父市長に提出する事態となっている。
 協会但馬支部は公立八鹿病院について、2月12日に病院設置者の広瀬栄養父市市長と懇談し、協会から新田誠支部長と谷垣正人支部長代行が出席した。
 支部は養父市長に対して、辞意を表明している同病院勤務医に対し、市長自らあらためて慰留に努めることや、同病院が南但馬の中核的役割を担うために必要な施策や財政措置などを行うよう求める要望書を提出、懇談した。
 広瀬市長は冒頭のあいさつで、「この問題で地域住民、医療関係者に大きな不安を与えたことをお詫びし、病院が良い形で存続できるよう、同病院の問題は養父市そのものの問題として、解決に努めたい」と語った。なお、辞意を表明している同病院勤務医については、「慰留は困難で、今春から新たな派遣を受ける」との考えを明らかにした。
 また、国や県に「公立病院改革ガイドライン」等の廃止を求める意見書を提出し、公立病院に対する財政支援を抜本的に拡充するよう求めるとする但馬支部からの要望については、市当局から「国や県に対して財政支援をこの間求めている。県の改革プランは国のガイドラインに沿って策定されており、県は但馬地域の公立病院の医師不足を理由に、主として公立豊岡病院へ医師の集中配置を行っている。養父市ではそうした計画を何とか軌道修正してもらいたいと取り組んでいる。地域の実情に沿った医療体制の確保を県に求めていきたい」とし、「国、県が強行してきた『医療再編』による弊害を明らかにし、引き続き国や県に対し意見をあげること」を確認し合った。
 谷垣支部長代行より、公立八鹿病院の経営改革を強行する原因ともなった病院経営の赤字について、「病院の赤字の原因は、医師不足による一部の診療科閉鎖による患者数の減少、救急患者の公立豊岡病院への集約化など、この間、国や県が進めてきた医療政策によるもの、決して現場の医師の責任ではない」とし、但馬全体での救急医療体制や病院間の役割分担について十分議論してこなかった養父市の責任を指摘した。その上で「地域の高齢化に伴い、医療・介護の需要が急増するなか、公立八鹿病院がその受け皿として担う役割はますます高まる」として、南但馬唯一の高次医療機関としてさらに人材の確保、施設の充実などを求めた。
 市長は今後の課題として、「『断らない医療』ができる体制作りが今回の改革プランの大きな柱の一つ。公立八鹿病院は今試練の時だ。反省すべき点は反省し、今回の経験を教訓化して、地域住民から信頼される病院作りに取り組んでいきたい」と語った。
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