兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年2月25日(1838号) ピックアップニュース

燭心

 豪雪が続いている。鳥取では33年ぶりに1m近い積雪とか。但馬地方にも被害が報道されている。お見舞いを申し上げたい。同じ兵庫県と言っても、神戸に住んでいる身には、雪に閉ざされた生活は、にわかに想像しがたい。せめて春を待ちわびる心だけでも共有したいと思う▼冬来たりなば春遠からじ、本号が出る頃にはもう解禁となっているだろうか、イカナゴの便りが待ち遠しい。2月下旬ともなれば、神戸の町々は釘煮の芳ばしい香りにあふれる。何年か前、姫路の駅前が改装中だった頃、工事中のフェンスに「旦那の誕生日は忘れてもイカナゴの解禁日は忘れない私は...ひめじん?」とあった。播州人の同じDNAに、思わず頬がほころんだものである▼春の話題を綴ってみたが私たちの暮らしの春はいつ来るのだろうか? 今国会で審議中の予算案には、国民の家計を直撃する負担増計画が目白押しである。医療・介護の分野では、負担上限の引き上げ、保険料の値上げ、入院光熱水費の自己負担化などが盛り込まれている。首相が「アベノミクス」をいくら自画自賛してみても、国民が凍てつく暮らしを強いられては、経済は温まらない▼イカナゴとは、いかな子、どんな子という語源だそうだ。はかなげな稚魚が育ち、やがてどんな成魚になるのか、夢を託した言葉に思える。暮らしの春は、私たちの集める窓口署名の一筆一筆にかかっている。やがて大魚の群れ、春告げ魚となることを念じてやまない。(星)
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