兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年5月15日(1845号) ピックアップニュース

燭心

 安倍首相は憲法記念日の3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言した。驚きであり危険極まりない。そもそも首相は第99条にあるように憲法を尊重し擁護する義務を負っているにもかかわらず、期限まで決定することは立派な憲法違反行為だ▼このところ北朝鮮の無法な行為に対して、米軍が航空母艦を派遣という不穏な情勢となっている。マスコミは長々と北朝鮮の悪行を執拗に繰り返す一方で、米空母の威力を賛美するかのような報道ばかり。東京の地下鉄は一時運転休止した。国民に恐怖を煽り、何とかしろと言わんばかり。この時期に悪質である▼米補給艦の護衛に、いずも型護衛艦が任務に就いた。いずもは垂直離着陸機の発着も可能と言われる軽空母で、単艦での運用は想定されておらず、最低限の自衛火器しか持たない。完全にアリバイ作りである。しかしこの情勢で米軍に協力することは、憲法で禁止している〝威嚇〟を行うことを意味する▼先日憲法集会にて糸数慶子参院議員の講演があった。その中でクリスチャンであり医学者の永井隆氏の作品「いとし子よ」が紹介された。憲法施行から2年後の昭和24年、自分の子どもたちに憲法の戦争放棄条項を守ってほしいと熱く語る。覆そうとする勢力や抑止論に〝愛〟をもって、粘り強くまた頑固にと。世界に誇れる日本国憲法、生まれた時からその闘いは続いている。(無)
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