兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年7月05日(1850号) ピックアップニュース

燭心

 古往今来、医療の質は問われ続け、ストラクチャー(提供体制)・プロセス・アウトカムで評価され、時代と共に後者に比重が移ってきた▼臨床的アウトカムには死亡率・合併症発生率など多数あり、患者由来アウトカムにはQOL、満足度などがある。後者は多要素的・主観的で要求は無限である。最近は経済的アウトカム、つまりコストに結び付く平均在院日数、在宅復帰率なども評価の対象となっている▼アウトカムを比較し評価するには、信頼性のあるリスク補正と、共通のインディケーターが必要である。大学教授と診療所医師の評価が難しいのは、医療は科学技術を実用化するための社会技術だからだ▼質の向上には、プロセスとアウトカムアプローチがある。前者はガイドライン・プロトコール・マニュアルなどと呼ばれ、何をすべきか分かりやすいが、アウトカムがベストとは限らない。プロセスを重視する医師に対し、患者の最大関心事はアウトカムで、医療の不確実性が訴訟の呼び水となる▼一方、アウトカム偏重は、そのプロセスを明確にしないと、改善策を提示できない。ゴッドハンド、カリスマ医師、魔術師...昔の病気や医療を思うと監視も必要である▼芸能人などは、時にその医療情報がネット等で取り沙汰されるが、医療の質は軽々に評価できない▼人生の質の評価はさらに難しい。ストラクチャー・プロセス・アウトカムの何に重きを置くかは人さまざまで、また他人と比べるものでもない(空)
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