兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年11月15日(1862号) ピックアップニュース

燭心

 先日11月8日は言わずと知れた〝いい歯〟の日。入れ歯デーからこの間、歯科分野での取り組みが活発に行われた。特に学校歯科健診の実態をまとめた書籍『口から見える貧困 健康格差の解消を目指して』は出色の出来栄えである。厳しい現実を報告し、それらの解消に向けた提言がまとめられている▼医科歯科の連携が進められ、歯科疾患と全身状態との関連がさまざまなところで話題になっている。口腔内環境と誤嚥性肺炎、かみ合わせと認知症、転倒。オーラルフレイルと全身との関係等々。この間の現場の取り組み、運動が少しずつ実をつけ始めたようだ▼わが身にもフレイル状態が忍び寄る。往診時に床から立ち上がるのがつらくなる。左右の目で視野の明るさがわずかに異なる。歯茎が痩せてきた、昨年歯が割れた。加えて血圧も......団塊の世代ではないがこれから医療費がますます高くつきそうだ▼来年は診療報酬、介護報酬の同時改定が行われる。財務省はいろいろな手段を用いて医療費削減に躍起になっている。加齢に従い身体に様々な故障が増えるのは当然のこと。これを悪用して、国にも若い世代にも負担を負わせていると攻撃の的にする。これまでは高齢者のこととどこか他人事だったが、わが身のこととなると身につまされる▼普通に生活し、健康管理、疾病治療ができるような窓口負担の軽減。安心・安全の医療の提供を保証する診療報酬の大幅引き上げがどうしても必要になってくる。(無)
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