兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年7月05日(1882号) ピックアップニュース

燭心

 じとじとした天気が続くが、沖縄では先月の23日に一足早く梅雨明けした模様である。南国の照り付ける日差しは、さぞかしまばゆかろうと思うが、さて、この人にはどうであったのだろうか? 同日は沖縄慰霊の日、沖縄戦が終わって73年目の日である▼式典に臨んだ安倍首相は、「沖縄の方々には長きにわたり大きな負担を担っていただいている」とし「負担軽減のため全力を尽くす」と述べた。会場からは「ウソつけ!」とのヤジが飛んだという。8月には辺野古の海を埋め立てる土砂投入が開始される。空疎な言葉は、ますます人々を傷つける▼3カ月にわたる地上戦で20万人、県民の4人に1人が犠牲になったと言われる。文字通り〝鉄の雨〟が降り、自決を強いられたり、わが子の殺害を命じられた。式典のあった 摩文仁 まぶに の丘には、犠牲者たちの名前の刻まれた「平和の いしじ 」がある。生きていればどんな人生があったのか、首相はじっくり見たのだろうか▼翁長知事は「新基地建設は負担軽減に逆行しているばかりでなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行している」と述べ、県遺族会の会長は「戦争につながる新たな基地建設には遺族として断固反対する」と語った。沖縄の心がなぜあの人には伝わらないのか▼今年の11月には保団連の医療研究フォーラムが沖縄で開催される。「全国の保険医協会会員の皆さんに〝沖縄を診て〟考えてほしい」保団連代議員会での沖縄協会会長の発言である。ぜひ多くの方に参加していただきたい。(星)
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