兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年4月25日(1908号) ピックアップニュース

燭心

 春本番の今日この頃。元町商店街には現在八百屋がなんと7軒も存在する。3軒は地元産野菜を売りにするが、あとは廉売店。以前のようなハイソでお洒落な商店街から、下町の商店街に変わりつつある。この頃は春野菜が勢ぞろい。春キャベツ、さまざまな青物、椎茸、玉葱、新じゃが等。農家の苦労もさることながら安くて新鮮なものをと、客は結構多い▼少し前、大根がやたらと大きく非常に安かった時期がある。なんでも暖冬のせいで大きくなり過ぎ、箱詰めや運送の関係で商品にもならないものまであり産地では出荷できず廃棄したとも聞く。生産調整も難しい、残念▼4月10日の経済財政諮問会議で厚労大臣は2040年を展望し「医療・福祉分野の生産性は、少ない人手でも回るよう全体として5%以上の改善を図る...医師については7%以上」と述べた。病床削減について民間議員からは「消費税財源を活用し病床のダウンサイジング支援を拡充...」との発言もあった。野菜や自動車ならともかく、医療・福祉分野の〝生産性〟とは何を意味するのか。文面通りに読めば少ない医師で効率よく医療を回せということになる▼労働者としての医師の人権は無視され、国民は病床削減により医療を受けにくくなる。厚労省は、5年先の医師の働き方において、残業時間を年間1860時間まで認めようとしている。明らかに労働基準法違反で意味の分からない、国民に説明がつかない内容だ。このような政治では安倍一強の終焉も近い。(無)
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