兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年11月25日(1959号) ピックアップニュース

第97回評議員会 コロナ禍の下での負担増計画に反対
患者とともに運動広げよう
再流行への備え・患者負担増中止を求める決議採択

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国に補償を求める決議を拍手で採択

 新型コロナウイルス感染症への補償を政府に求めよう--。協会は11月15日、第97回評議員会・臨時決算総会・第43回共済制度委員会を開催。評議員ら85人が参加し、2020年度前半期会務報告と後半期の重点課題、決議を承認した。特別講演では、神戸大学名誉教授の二宮厚美氏が「菅新政権と社会保障政策の争点」と題して講演した(次号以降に詳報予定)。

医療の拡充求め14人が発言

 開会あいさつで西山裕康理事長は、「政府は新型コロナ禍においても患者・介護利用者の負担増を進めようとしている。これは受診抑制や治療の遅れ、重症化につながるばかりか、『医療は平等だ』という国民共有の意識を分断する」として、政府が検討している窓口負担増計画への反対を訴えた。新型コロナの影響については、「医療機関において『受診抑制』と『患者減少』が一気に進んだ。経営悪化は個々の医療機関の責任ではない。高い公益性と非営利性を有する医療に対し、国は診療報酬の概算払い等により補償する責任がある」と訴えた。
 武村義人副理事長が前半期の会務報告と後半期の重点課題について報告。会務報告では、「新型コロナ禍による被害が大きくなったのは、社会保障を軽視し、弱者を切り捨てる新自由主義政策が根底にある。菅新首相が継承する『安倍路線』の転換が必要だ」と情勢を報告した。後半期の重点課題としては、「『頼りになり役立つ協会』となるよう努め、政府が計画する新たな患者負担増に反対し、医療費の総枠拡大、社会保障拡充、憲法と平和を守る運動などを、広範な国民・団体と共同して進めることに全力を尽くす」とした。
 討論では「発熱外来の実践と政府の補助金制度」「地元選出議員との懇談など協会の政治的影響力の強化を」「患者署名を推進し、75歳以上窓口2割負担を阻止しよう」「自治体のアスベスト対応についての問題提起」「コロナ禍の下での研究会活動の実践」など、医療・社会保障改善、環境・公害に対する運動の強化を求める発言や、各支部での多彩な活動の紹介、コロナ禍での研究会活動、会員拡大への協力のお願いなど、14人から発言があった。
 最後には、コロナ禍での医療機関経営の補償、医療費抑制政策の転換と公衆衛生体制の強化、患者・介護利用者負担増計画の中止などを盛り込んだ決議を採択した。
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菅政権の本質を暴く二宮神大名誉教授

特別講演 二宮厚美神戸大学名誉教授
菅新政権の狙いは「新自由主義の延命」

 特別講演では二宮厚美氏が、菅新政権の特徴は、新自由主義政策の継続と強権政治の二つであると解説した。
 二宮氏はまず、医療を、国民の生活に欠かせない「エッセンシャルワーク」であると定義。しかし菅首相が行っているのは、その充実ではなくデジタル化を理由としたオンライン診療の推進だと指摘。社会保障を軽んじる菅首相の姿勢は、スローガンである「自助・共助・公助そして絆」にも表れていると批判した。
 また、安倍首相退任後に、菅氏が新総裁候補に急浮上したことについて、森友・加計学園問題、桜を見る会などのスキャンダルなど、安倍政権時代の失政を把握している菅氏しか、国民の追及から逃れられないと自民党が判断したためと解説。新自由主義路線を継承しつつ、前政権のスキャンダルをもみ消させるような強権政治は菅首相しかできないとした。そして、新自由主義政策は全世代型社会保障を建前とした高齢者の負担増計画に、強権政治は日本学術会議委員任命拒否による反政府派学者の排除に早くも表れていると解説した。
 第43回共済制度委員会では、共済事業報告および事業計画案が報告され、特別報告では太陽生命保険株式会社法人営業推進部長の横山裕輔氏が、「コロナ禍の金融市場と生命保険業界」をテーマに報告を行った。臨時決算総会では、19年度決算・監査報告が承認された。

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