兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年3月25日(1969号) ピックアップニュース

難病助成制度の改善求める請願10市町で採択

 協会は2019年9月から国の指定難病医療費助成制度(以下、難病助成制度)の改善を求める請願を県・市町議会で進めてきた。3月4日には昨年2月以来継続審議となっていた尼崎市議会で請願が採択され、県下計10市町で採択・趣旨採択を勝ち取った。

 国の難病助成制度は、2015年1月より、新たに「重症度基準」が導入され、認定患者でもこの基準で「軽症」とされると医療費助成の対象から外されるよう改悪。助成を受けられなくなった患者は全国で約14・6万人にのぼる(2018年10月1日時点)など多くの難病患者に影響が及んでいる。
 協会は保団連の提起を受け、すべての難病患者が費用等の心配なく受診できるよう、各市町に対し、重症度基準の撤廃を求める意見書を国に提出すること等を求める請願を開始。地域医療部会や各支部の討議を経て、これまでに9支部が請願を行った。
尼崎支部
粘り強い取り組みで採択
 尼崎支部は2020年2月議会に請願を行ったが、委員会で「会派内で十分に議論ができていない」「コロナ禍でワーキンググループの議論がストップしている状況なので今はタイミングが良くない」などの意見が出され、継続審議が続いていた。しかしその後も議会開催の度に各会派へ要請を続けてきた結果、今年2月の委員会では公明党、日本共産党、緑のかけはしが賛成。3月本会議では賛成・反対が同数となったが議長採決で採択となった。尼崎市は3月4日付で関係大臣に対して難病助成制度の拡充を求める意見書を提出した。
10市町で採択・趣旨採択
 協会地域医療部と各支部は2021年3月までに県と14市町議会に請願し、尼崎市議会での採択により8市町で採択(尼崎市、川西市、猪名川町、宝塚市、明石市、小野市、加東市、豊岡市)、2市で趣旨採択(加古川市、高砂市)となった。採択された支部の多くで、支部役員が、つながりのある議員を通じて、各会派に実情を訴えるなど、粘り強く請願活動を行った。

各支部の取り組み状況
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