兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年9月05日(1983号) ピックアップニュース

こども医療費助成制度
中3まで通院・入院無料9割 高3まで助成18市町に

 こども医療費について、県内の9割の市町で中学3年生までの医療費が無料となり、高校3年生まで無料の自治体も大きく広がっている。毎年、協会が県内の福祉医療制度について独自に行っている調査結果がまとまった。今号にパンフレットとポスターを同封している。

 「中3まで無料」の市町は、2市が増え38市町となった。川西市が所得制限ありで中3まで無料、豊岡市は住民税非課税世帯に限るものの中3まで無料とし、何らかの制度で中学3年生まで医療費を無料とする自治体は県内の90%超となった。
 高校3年生(18歳に達した最初の3月31日まで)まで助成する市町は、6市町増えて18市町と県内41市町の4割まで広がっている(表)。
 また、兵庫県が、すべての福祉医療費の対象に訪問看護療養費を加えた。
 これらの拡充は、協会も参加する兵庫県社会保障推進協議会などの要望が実ったものである。
 しかし、このように自治体の努力で実施する福祉医療制度に対し、「ムダな受診が増えて医療費が多くなる」という理由から、国はペナルティとして国民健康保険への補助金の削減を行っている。
 本来は国が責任を持ち、18歳までの子どもの医療費窓口負担は無料として、安心して子どもを産み育てる社会にし、少子化に歯止めをかけるべきである。また、子どもだけでなく、だれもがお金の心配なく安心して医療を受けられる制度であるべきであり、協会は、署名活動などを通じ、患者負担の軽減をめざし運動をつづけていく。

図 こども医療費(中3まで)助成制度の広がり
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表 高3まで無料の自治体(下線は今年度拡充)
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