兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年9月25日(1985号) ピックアップニュース

燭心

 立秋も過ぎ、いよいよ本格的な秋がやってくる。菅 ぬと目にはさやかに見えねども安倍の色にぞおどろかれぬる、去年の今頃、ある新聞のコラムにこんなパロデイが載っていた。元歌はもちろん、〝秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる〟、古今和歌集に収められている藤原敏行の有名な一首である。いやはや、月日が経つのは早いものだ▼秋風が立つとは、古来より、秋と きを掛け合わせ、人の心が離れていく様を言う。1年前、安倍政治への忠誠を誓い、総裁選で圧勝したが、満面の笑みは今いずこ、手のひらを反すように捨てられた。胸中、少しは同情も覚える。聴 器を当てれば「前任者みたいな、派手な悪事もしてないのに、何で俺ばかりいじめられるのか」と恨み節も聞こえてこようか▼いやいや立派に悪事は働いた。就任早々学術会議問題、東北新社のスキャンダルを引き起こし、前任者の疑惑解明には蓋をしたままである。GoToトラベルに固執、オリンピックを強行し、その挙句このコロナの蔓延である。国会を開かず、国民の前でまともに説明しないようでは、愛想をつかされるのも当然と言えよう▼さて、またぞろ後任者探しの争いである。色々名前は取りざたされるが、全員アベスガ政治の閣僚、これでは同じ穴のムジナではないか。もうすぐ総選挙である。男女の仲なら直りもするが、秋風の立ったアベスガ政治とは、この際きっぱりと縁を切りたい。秋はもっとさわやかな季節のはずだ(星)
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