兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年12月15日(1993号) ピックアップニュース

「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会・歯科技工問題交流会
歯科医師・技工士が一致して危機打開を

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歯科技工士の厳しい実態について意見を交わす

 協会などで構成する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は、11月28日、協会会議室で「歯科技工の危機を乗り越えよう!本音で語る!歯科技工問題交流会〜『2021歯科技工アンケート』結果発表も合わせて」を開催。歯科技工士の雨松真希人氏(兵庫連絡会世話人/全国連絡会会長)がアンケート結果を基調報告し、歯科医師、歯科技工士17人(来場13人/オンライン4人)が参加した。

 雨松氏は、今春実施の「2021歯科技工アンケート」の結果を発表する中で、週労働時間は4人に1人が90時間を超えていることや、休日を取る余裕もなく、コロナ禍で技工物が30%以上減少した技工所が46%に上る現状を報告。「物価上昇の中で、現行の保険点数で採算が合わないことを厚労省は十分承知した上で放置している。診療報酬を技術料や必要経費を積算した対価にすぐにでも改めなければならない」と呼びかけた。
 参加した技工士からは、「技工料の直接請求は難しくとも、実態を反映した保険点数にしていく努力が必要。技工士養成学校も定員割れなどの問題が多いが、若者にとっても魅力のある職場にしなければならない」(兵庫県歯科技工士会/山口陽司会長)、「技工所の危機はある意味、思想や立場に関係なく国民の健康に関わる問題として普遍性を持つ。党派を超えて国会議員などに働きかける必要がある」(兵庫県歯科技工士連盟/中井雅人理事長)、「歯科技工士養成学校の学生も年々デジタル志向が高まっている。首都圏ではCAD/CAMに特化した学科もあり、デジタルが主流になることは避けられない。時代の動向に即した打ち出しが求められる」(大学病院歯科技工士)などの意見が出された。
 歯科医師側からは「大手ラボが仕掛けるダンピング競争に歯科医師が乗っかってしまっていては、多くの技工士から不信が募るのも必然。歯科医師と技工士が分断されるのでなく、歯科医療費総枠拡大に向けてともに声を挙げよう」(川村雅之協会副理事長)、「7:3の大臣告示も形骸化しており、事実上ルールがないのが一番の問題。正当な報酬になるよう力を合わせよう」(足立了平協会副理事長)、「歯科技工士の皆さんの社会的地位向上が一つの目的。医療者だけでなく、『保険で良い入れ歯運動』のように市民を巻き込んだ成功事例もある。世論に訴える前向きな発信が必須」(白岩一心協会副理事長)などの意見が出され、今後の共同の取り組みに向けて一致点を見た。
 連絡会は今後も、歯科医療の危機に対抗するため、職種や思想、党派を超え、打開へ取り組んでいく。
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