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健康情報テレホンサービス

2023年4月

【水曜】 ギランバレー症候群

 ギランバレー症候群は、手足に力が入らない、痺れるなどの症状を起こす末梢神経の病気で、10万人に1人~2人と言われる稀な病気です。
多くの場合、1週間から2週間前に風邪症状や下痢などのウイルス感染を思わせる症状があり、急激に手足の運動麻痺が起こります。重症になると歩くこともできず、手や腕、肩もまったく動かなくなります。横隔膜や肋間筋といった呼吸筋まで麻痺する重症例では、人工呼吸器が必要になる場合もあります。
大半のケースで手足に麻痺が起こり、顔の筋肉に麻痺が起こることもあります。また、障害が運動神経のみに及ぶ場合や、運動・知覚神経ともに及ぶ場合、主に知覚神経に及ぶ場合など、複数の型があります。病気の原因の詳細は不明です。
 ギランバレー症候群であるかどうかは、特徴的な発症の経過と症状から推測しますが、脳脊髄液の検査により診断します。脳脊髄液の検査は、横になって腰の部分から細い針を刺して脳脊髄液を採取します。少し痛みはありますが、採血と同じくらいの時間で済みます。ただし、翌日になって頭痛が起こることがありますので、検査後は1~2時間仰向けで横になってもらいます。
 症状にもよりますが、治療後の経過はほとんどの場合良好です。軽症の場合は外来治療だけで回復します。四肢の麻痺が強い場合は、長期間のリハビリテーションによる筋力回復が必要になります。治療は血漿成分の特定の部分を取り除く血漿交換療法、免疫グロブリン大量点滴療法、ステロイドホルモンの点滴、飲み薬などを症状の程度により選択します。通常、治癒後に再発することはありません。
 風邪症状や下痢などがあり1~2週間して両側の手や足に力が入らない、痺れを感じるなど異常を感じたら、まず主治医にご相談ください。

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