兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

個別指導における主な指摘事項(医科)①

2020.04.05

 協会は、近畿厚生局兵庫事務所に対し請求していた指導等文書の開示を受けた。そのうち2018年~2019年にかけて実施された医科の個別指導(新規個別指導を含む)における主な指摘事項(入院外)を掲載する(一部要約・3回に分けて掲載)。

 個別指導では、「レセプト請求されている診療内容がカルテ記載されているか」という視点でレセプトとカルテの突き合わせが行われ、傷病名を付した根拠や医学管理等のカルテ記載の有無など算定要件を満たして請求しているかなどがチェックされる。日頃から、療養担当規則や診療報酬点数表に基づいた診療内容やカルテ記載となっているか、留意することが大切である。

厚生局から個別指導等の通知があった場合は、協会事務局☎078-393-1840までご相談いただきたい。

診療に係る事項

【診療録等】

・診療録について、医師による日々の診療内容の記載が不十分である。診療録は、保険請求の根拠となるものなので、医師は診療の都度、遅滞なく必要事項の記載を十分に行うこと。

・診療録第1面について、記載すべき事項を記載していない(患者基本情報等)

・診療録第3面に患者から徴収する一部負担金の徴収金額が適正に記載されていない。

・保険診療の診療録と保険外診療(予防接種)の診療録とを区別して管理していない。

【傷病名】

・検査、投薬等の査定を防ぐ国的で付けられた医学的な診断根拠のない傷病名(いわゆるレセプト病名)が認められた。レセプト病名を付けて保険請求することは、不適切なので改めること。

・症状や状態等、傷病名ではない事項を傷病名欄に記載している。傷病名以外で診療報酬明細書に記載する必要のある事項については、摘要欄に記載するか、別に症状詳記(病状説明)を作成し診療報酬明細書に添付すること。

・重複して付与している、または類似の傷病名(例:変形性膝関節症と膝関節痛)。

・長期にわたる急性疾患等の傷病名(例:感冒)。

・部位の記載がない傷病名(例:鶏眼)。

【基本診療料】

・家族のみが来院した場合について、初診料を算定している。

・再診に附随する一連の行為で来院したものについて同日再診料等を算定している。

・外来管理加算について、患者からの聴取事項や診察所見の要点について診療録への記載が不十分である。

・夜間・早朝等加算について、診療録等に受付時間を記録するなどにより算定要件を満たしていることを明確にすること。

・時間外加算について、状態として診療応需の体制を取っている時間に算定している。

【医学管理等】

・特定疾患療養管理料について、治療計画に基づく、服薬、運動、栄養等の療養上の管理内容の要点について診療録への記載が不十分である。

・悪性腫瘍特異物質治療管理料について、腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点について診療録への記載がない。

・診療情報提供料(Ⅰ)について、実際に交付した文書の写しを診療録に添付していない。

・特定薬剤治療管理料について、治療計画の要点について診療録への記載が不十分である。また、初回月加算について、薬剤の安定した血中至適濃度を得るための頻回の測定を行っていない。

・皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)について、指導内容の要点について診療録への記載が不十分である。

・喘息治療管理料1について、ピークフローメーターを用いた計画的な治療管理を行っていない。

・ニコチン依存症管理料について、治療管理の要点について診療録への記載が不十分である。