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兵庫民医連 原発事故避難者健診 参加記

2015.10.05

避難者に寄り添い健診続けていきたい

 

 福島第一原発事故による県内避難者を対象とした健康診断が8月23日に実施された。診察に参加した池内春樹名誉理事長の参加記を掲載する。

 

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 兵庫県民主医療機関連合会(民医連)が行っている東日本大震災による福島第一原発事故後に避難され、兵庫県内に在住の方を対象に行わせていただいている避難者健康診断も8月23日に尼崎医療生協病院で行われた健診で5回目を迎えた。兵庫県保険医協会も小児科の健診で最初から参加させていただいている。今回は小児科の辻一城先生と眼科の山中忍先生とともに参加させていただいた。

 第1回の時、少なくとも10年間は健診を続けようと決めた。第4回までの健診で158人の方を健診することができた。内訳は内科が73人、小児科が85人で、総合判定では異常なしが内科で2人、小児科で11人であり、要治療や要精密検査が内科で36人(49%)、小児科で38人(45%)、その他が軽度異常・要経過観察という結果であった。甲状腺エコー検査ではのう胞や結節を認めないが内科で36人(49%)、小児科で43人(51%)であった。

 避難者の費用負担は大人(高校生以上)が5000円、小児が2000円で、負担の軽減が課題である。定員は50人であるが、何回も継続して受診されている方も多く、大人には「私の健康ファイル」をお渡しして、健康管理に利用していただいている。子どもたちが退屈しないよう健診や採血や甲状腺エコーをスタンプラリーで回り、ボランティアのみなさんに学習サポートや輪投げやスーパーボールすくいで遊んでいただいた。今回初めて兵庫県弁護士会が参加され、何でも相談をしていただいた。

 健診時の相談では、鼻出血が続いている、甲状腺エコー検査で5mm以下の結節や20mm以下ののう胞が見られた、原発事故以後に生まれたが異常がないか心配など、いまだに原発事故の影響に悩んでおられるご家族は多い。

これからも避難者に寄りそって健診を続けていきたい。

[名誉理事長 池内 春樹]

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