兵庫県保険医協会

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日常診プレ企画 「原発事故6年後の福島」 コミュニティ破壊による「原発関連死」つづく

2017.08.25

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報告した(左から)福島協会の松本純理事長、絵本作家の松本春野氏、齋藤紀先生

 協会は8月5日に、第26回日常診療経験交流会(日常診・10月29日開催)のプレ企画として、「福島第一原発事故と関連する健康被害のとりくみ」を県農業会館で開催し、148人が参加した。
 福島から、生協いいの診療所所長で福島県保険医協会理事長でもある松本純先生と、医療生協わたり病院の齋藤紀先生が、東日本大震災・原発事故から6年が経過した現地の状況について報告。ゲストとして絵本作家・イラストレーターの松本春野氏が、自身の経験も交えて福島で暮らす人たちについて語った。
 日常診の震災企画は、2011年の東日本大震災以来、毎年開催している。
避難指示みずぎわ診療所の経験から
 松本純先生は、原発から北西51キロの地点に位置する、いいの診療所での診療を通じた、現地の人たちの現状について語った。
 避難指示により一家離散となったケースや、住み慣れた住居から移転し不慣れな仮設住宅生活を送る高齢患者などの事例を紹介。「3・11で時が止まったままだが、老いは平等にやってくる」「3〜4世帯同居の大家族がバラバラになり、想定外の終末期を迎えざるをえなかった避難者が大勢いる」と話した。地元新聞が「原発関連死」と指摘しても、「震災関連死」の言葉しか使わない政府の姿勢も厳しく批判した。
 また、避難所での自身の体験も振り返りながら、兵庫県産婦人科学会が阪神・淡路大震災の経験を踏まえ提案した「妊産婦の切実な声・10の願い」「災害時の妊産婦に関する十カ条の提言」にふれ、母親たちに寄り添った災害時の対応の大切さを強調した。
脱原発実現こそ福島県民の願い
 齋藤紀先生は、原発事故が、コミュニティ崩壊などの社会的被害、既往疾病の悪化などの身体的被害、心身統合機序の不安定など心理的被害をもたらしていると指摘。岩手・宮城と比べ、福島県民の精神健康状態は悪く、自殺率も高く推移していると説明した。
 県民健康調査で見つかっている小児甲状腺がんについて、チェルノブイリ原発事故とも比較しながら解説。この間見つかった甲状腺がんはエコー検査導入による発見率の高まりによるものである可能性が高いとしつつ、今後も慎重に県民の健康を見守っていく必要があると述べた。
 齋藤先生はまた、福島県内の高い自殺率の背景について、東京電力を救済している国や、原発再稼働を是とする判決を下す司法の姿勢が、「県民に対しボディーブローのようにダメージを与えている」と指摘。再稼働中止を求める司法闘争での団結や、脱原発世論との団結こそが重要だと述べた。
 松本春野氏は、原発事故後に絵本『ふくしまからきた子』『ふくしまからきた子 そつぎょう』を制作した経過を語り、福島に足を運び、住民の思いを知り、寄り添うことの大切さを強調した。
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