兵庫県保険医協会

関西電力株式会社取締役社長　岩根茂樹殿

放射性物質を含む蒸気漏れを起こした

高浜原発4号機の即時廃炉を求める

兵庫県保険医協会

第1080回理事会

　関西電力は、8月20日、定期検査中の高浜原発4号機（福井県高浜町）の原子炉容器の上蓋に設置された温度計の接続部分から放射性物質を含む蒸気漏れを起こしたと発表した。

　高浜原発4号機は、稼働後33年を経過した老朽化原発であり、2016年2月の再稼働直前に原子炉格納容器の外側で1次冷却水漏れを起こし、再稼働の3日後には送電関係のトラブルにより原子炉が緊急停止するなど、トラブルを相次いで起こしてる。。この放射能漏れは１次冷却水漏れとされており、きわめて危険な事故である。関西電力の検査体制・検査能力、設備への評価能力、安全対策が極めていい加減なものであり、経年劣化が当然予想される部品についても不備が明らかになるまで予防的に交換することなく放置する姿勢は許されるものではない。関西電力に危険な原発を稼働させているという自覚が欠如していることを表すものであり、関西電力に原発を運用する資格はない。原子力規制庁による新規制基準審査が机上の書類審査でしかなく、原発の安全性を全く保障するものではないことがまたもや明白となった。

　同様の事故が他の原発で起こる可能性は高く、すでに稼働している原発でも即時、総点検が必要である。

　われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産出し続ける原発の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。高浜原発の即時停止および即時廃炉と稼働中の全原発を停止させ、総点検を行った上で廃炉にするよう、政府・関西電力に強く求める。