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西宮こしき岩アスベスト訴訟 市の責任を一定認める判決 原告の求めは棄却

2019.05.25

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 旧夙川学院短期大学(西宮市甑岩町)の校舎解体でアスベスト(石綿)が飛散し、将来の健康被害が予想されるとして、周辺住民ら38人が、監督官庁の西宮市や解体業者と開発業者に損害賠償を求めた訴訟(西宮こしき岩アスベスト訴訟)の判決が4月16日に神戸地裁であった。裁判所は、建物解体時の石綿飛散の事実を認定し、解体業者の責任を一部認め、西宮市には飛散調査義務があったことも認めた。一方で、アスベスト飛散による健康被害は確認されないとし、原告の請求は棄却された。

 協会環境・公害対策部はアスベストによる健康被害の再発防止の観点から、同訴訟を支援してきた。また、この訴訟を支援する団体「ストップ ザ アスベスト西宮」(代表:上田進久協会環境・公害対策部員)には、協会西宮・芦屋支部も参加している。

 判決では、解体業者に対して、基準通りに工事を行わなかった不法工事責任があり、損害があれば責任は認められるとした。一方で、開発業者である創建に対しては、大気汚染防止法改正前のもとで、解体業者が工事に責任をもつことが前提となっており、義務違反を認めなかった。西宮市については、建物内の石綿建材残存を容易に疑うことができ、設計図書を入手し石綿の有無を自ら確認することが可能であったとして、地域住民の健康を守る責任があるとして、積極的な飛散調査義務を認めた。

 判決後の記者会見で、上田先生は「原告の求めは棄却されたが、市の対応は十分ではなく、行政が積極的に検査すべきだということが示された。これは今後のアスベスト飛散防止に向けて大きな礎となった」と語った。

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