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【声明】運転差し止め仮処分決定が下され、トラブルが続く伊方原発の廃炉を求める

2020.02.08

四国電力株式会社取締役社長 長井啓介殿

運転差し止め仮処分決定が下され、

トラブルが続く伊方原発の廃炉を求める

兵庫県保険医協会
第1106回理事会

 広島高裁は1月17日、定期検査で停止中の四国電力伊方原発3号機の運転を差し止める仮処分を決定した。

 本決定は、同原発から約130キロの距離にある熊本県の阿蘇山の噴火リスクについて、「破局的噴火に至らない程度の最大規模の噴火」を考慮すべきだと指摘し、その噴火による火山灰などの降下火砕物の噴出量について、貴社による想定は過小だと判断している。

 また、地震のリスクについても、国内最大規模である「中央構造線断層帯」との関連性から、原発の敷地近くに活断層がある可能性は否定できず、貴社の調査は不十分であると指摘した。運転を認めた規制委の判断についても「過誤ないし欠落があった」と指摘している。 

 同原発では1月12日に原子炉容器上部で燃料固定装置を引き上げようとした際、制御棒1体を一緒に引き抜く事故や、同月25日には一時電源が喪失し全面的な停電が起こるなど、トラブルが相次いでいる。また、この折、貴社には3号機の核燃料プールの冷却が43分にわたり停止していた事実を隠ぺいしていた疑いがある。事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原発を貴社が運転する資格を持たないことは明白である。

 伊方原発の運転差し止めの司法判断は、別の住民の仮処分申し立てを認めた17年12月の広島高裁の決定に続き2回目となる。貴社には再び差し止め決定が出された重みを真剣に受け止め、異議申し立てを行うことなく、伊方原発を今すぐ廃炉にするよう求める。

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