兵庫県保険医協会

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抗議声明
岸田首相の原発新増設表明に抗議する
兵庫県保険医協会 第1157回理事会

2022.08.27

協会は8月27日、第1157回理事会にて、岸田首相の原発新増設表明に抗議する抗議声明を採択し、関係機関に送付した。

 岸田首相は8月24日のグリーントランスフォーメーション実行会議で原発の新増設について検討を進める考えを示した。今年に入ってからも原発の新設は「検討していない」としていた立場から政策転換した。「原発ゼロ」を求める国民の意に反して原発稼働に固執し、エネルギー危機をことさらに煽り、不当に不適切な原発不可欠論を喧伝し、老朽原発の再稼働に止まらず、新増設まで目論むことは、国民の命と健康を危険にさらす愚策である。
 この発表の直前に出された経済産業省の工程表案では「2050年カーボンニュートラル」を目指す過程で「二酸化炭素を排出しない大量で安価な水素・熱・電力の安定供給が必要」とし、原発を脱炭素の切り札のように位置づけているが、革新的原子炉といえども半永久的とも言える核燃料廃棄物の産出がなくなることはなく、決して安価でもなく、重大事故に関する危険性が幾分低減するとはいうものの、消失するわけでもない。コジェネレーションや温熱の活用、バイナリー発電、地熱発電、地中熱利用、直流送配電など、原子力よりもはるかに安価で自給率の高いエネルギーを確保する手段を追求することの方が国是としてふさわしいのは明白である。
 この工程表案では、革新軽水炉開発が原子力エネルギー分野で国際的イニシアチブを発揮したい米国の要請であることを隠しもしていない。米国の要請に応えるために日本国民の命と健康を危険に曝すことを躊躇しない対米従属的な国の姿勢は極めて異常である。
 福島原発の事故原因も、いまだに究明されてはいない。われわれはいのちと健康をまもる医療者として、岸田首相の原発推進表明に強く抗議するとともに、政府・電力会社にはすべての原発を廃炉にし、再生可能エネルギーを基軸にしたエネルギー政策を積極的に推進する方向に政策転換することを求める。
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