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「やさしい日本語」どう使う? 国際部が外国人を患者役に実地研修会

2023.04.15

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研修終了後、参加者・進行役・患者役のみんなで記念撮影

 外国人の患者さんとのやりとりに困ったら? そんなときに役立つツールが「やさしい日本語」だ。これを医療現場に広げようと協会国際部は3月26日、福岡県歯科保険医協会と共催で、第2回実地研修会をオンラインで開催。医師・歯科医師・スタッフら16人が、在住外国人の方を患者役に、診療現場でよく使う表現を、「やさしい日本語」に言い換える練習を行った。

 「やさしい日本語」とは、難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のこと。
 研修会では、「入門・やさしい日本語認定講師」の栗山こまよ氏が、やさしい日本語のポイントなどを解説。「ハサミの法則」(1.はっきり言う、2.さいごまで言う、3.みじかく言う)や実物を見せる、ジェスチャーをする、翻訳アプリを活用するなどとともに、相手の気持ちになることが何より大切とアドバイスした。
 患者役は、日本在住のフィリピン、ベトナム、ネパール、ウクライナの方が務め、「確認しながらゆっくり話してくれたので安心できる」「家族の付き添いで病院に行き通訳をしていたが、こういうムーブメントが広がると嬉しい」などと感想を語った。

感想文
すべての医療人に不可欠な「やさしい日本語」
 当日はオンライン形式での研修会でした。
 まずはミニ講義で、兵庫県・福岡県の外国人県民の状況から始まり、医療に関する課題・問題点について解説がありました。「やさしい日本語」とは、阪神・淡路大震災がきっかけとなった「相手に配慮したわかりやすい日本語のこと」で、日本語を母語としない方のみならず、障がいのある方、高齢者などさまざまな方に用いられるという説明を受け、医療現場での有用性、具体的なやさしい日本語のコツについて学びました。
 その後グループに分かれ、外国人の方々に模擬患者になっていただき、シナリオにそって「捻挫」「う蝕と歯肉炎」をテーマに、主に診察の結果と療養の注意についての説明を参加者が交替で行うというロールプレイを経験しました。
 相手がどれくらいの日本語を理解されるのかもわからず、また医学用語をやさしく言い換えることが難しいなと感じながらロールプレイを行いました。模擬患者役の外国人の方からわかったこと、わからなかったこと、説明のよかった点、よくなかった点について評価を受け、ファシリテーターの方からのアドバイスを受けました。
 日本語の難しさや奥深さを再認識し、また日頃、いかにぞんざいに話していたかを反省するよい機会となりました。また最初のミニ講義で「やさしい日本語」は日本語を母語としない方のためだけではなく、障がいのある方、高齢者などさまざまな方のために用いられると教わりましたが、研修を受け、日常診療の全ての場で全ての患者さんに常に「やさしい日本語」を使わなければという思いを強くしました。また「やさしい日本語」は言葉だけの問題ではなく、優しい気持ちを持って接するという心の問題であることに気づかされました。全ての医療人にとって不可欠な要素と言っても過言ではないかとさえ思います。
 「やさしい日本語」は相手のことを思いやり、コミュニケーションの基本になるということを学べるとてもよい研修会でした。ロールプレイに少し二の足を踏んで会員の先生方の参加者が少なかったのではと思いますが、実践してみないと理解が深まりません。「やさしい日本語」は一押しの研修会です。次回は多くの会員の先生方が参加されることを願って感想文を終わらせていただきます。

【東灘区 口分田 真】

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