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2016年参議院選挙にあたっての開業保険医の重点要求(案) 2016年5月 兵庫県保険医協会

2016.06.05

 6月22日公示、7月10日投票の日程で行われるとされる参議院選挙に向けて、政策部でとりまとめた「2016年参議院選挙にあたっての開業保険医の重点要求(案)」を発表する。

 今次参議院選挙にあたり、私たち保険医は地域医療崩壊を招く患者負担増、社会保障費削減、医療への市場原理の持ち込みに反対し、社会保障の充実を強く求める。
 政府はこの間、社会保障改革プログラム法、医療・介護総合法、医療保険制度改革関連法と国会の度に、医療・社会保障制度の改悪を行ってきた。2016年度の予算編成においては、小泉構造改革を上回る毎年5000億円の社会保障費抑制策を打ち出し、薬価引き下げなども含めて実にマイナス1.43%となる診療報酬改定を行った。政府は、この社会保障費抑制策を今後3年間継続するとしており今後、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入、市販品類似薬の保険外し、70歳以上の高額療養費制度限度額の引き上げ、75歳以上の医療費窓口負担2割化、入院時居住費の引き上げ、介護利用料の原則2割化、一部の介護保険サービスの保険外しや地方自治体への移管など、さらなる医療・社会保障制度改悪を進めるとしている。
 政府の経済政策は、大企業には史上空前の利益をもたらしたものの、多くの国民には度重なる負担増、生活必需品の値上がり、可処分所得の減少などを強い、貧困と格差の拡大をもたらしただけであった。
 また、政府・与党は昨年9月には多くの法曹が違憲との考えを示し、多くの国民が反対した安保法案を強行採決した。これは、日本をアメリカとともに世界中で戦争できる国としただけでなく、立憲民主主義国家としての国の歴史に汚点を残すものであった。
 私たちは医師、歯科医師として国民の命と健康を危険にさらす、医療・社会保障制度の改悪に強く反対する。富裕層や大企業のみが恩恵を受ける経済政策ではなく、税・保険料の累進性を高め医療・社会保障制度を充実させて、所得再分配機能を強化することにより、国民経済を持続的に発展させる政策への転換を求める。

個別要求 

1、医療の改善要求
(1)「地域医療構想」による機械的な病床削減や、介護費、外来医療費の無理な地域差縮小政策を止め、地域の医療・介護ニーズにあった医療・介護提供体制を整備すること。
(2)国の責任で、医療・社会保障の給付水準を高齢化の進展を加味し、他の先進国以上に引き上げること。
(3)医師、助産師、看護師などマンパワー不足を解決すること。
(4)受診抑制を招く患者負担増計画を撤回し、高齢者の医療費窓口負担割合をもとにもどすこと。こどもの医療費窓口負担は国の責任で中3まで無料にすること。
(5)診療報酬の不合理是正を行うこと。
(6)歯科医療危機の打開にふさわしい歯科診療報酬の大幅引き上げ、保険範囲の拡充、歯科技工士の待遇改善を行うこと。
(7)混合診療や株式会社による医療機関運営など「国家戦略特区」における医療分野での規制緩和を止めること。
(8)強引な国保の県単位化を止め、国庫負担の引き上げで国保保険料を引き下げること。また、短期保険証や資格証明書の発行をやめること。学資保険などの差し押さえを行わないこと。
(9)日本の国民皆保険制度を形骸化させるTPPを批准しないこと。
(10)介護保険制度を抜本的に見直すこと。a・必要なサービスが受けられるよう認定方式を改めること。b・保険料を応能負担に改めること。c・利用者負担を引き下げること。
(11)医療の公益性を守る事業税非課税措置と4段階税制を存続させること。
2、震災復興を求める要求
(1)熊本地震被災者の医療費一部負担金免除措置の対象者と期間を拡大し、全被災医療機関の再建に公的支援を行うこと。
(2)東日本大震災の医療費一部負担金免除措置を、復興が完了するまで再実施し、全被災医療機関の再建に公的支援を行うこと。
(3)被災地復興に直接関係のない事業に復興予算を流用するのをやめ、被災者の生活再建に真に役立つ予算執行を行うこと。
3、財政構造の転換を求める要求
(1)消費税の10%増税をやめ、医療機関の控除対象外消費税をゼロ税率導入により解決すること。
(2)無駄な大型公共事業や不必要な防衛予算など、税金の使い方を見直し、社会保障への公費負担を拡充すること。
(3)空前の利益を上げ、内部留保を積み増ししている大企業に、安定的雇用の拡大、賃金の引き上げを求め、社会保険料収入を確保すること。
(4)大企業や富裕層向けの優遇税制を改め、タックスヘイブンなどにより税金逃れを行っている企業や富裕層に応分の負担を求めること。
4、原発ゼロをめざす要求
(1)稼働中の川内原発を停止し、すべての原発の再稼働、新増設、輸出を止め、全原発を速やかに廃炉にすること。
(2)原子力規制委員会を透明かつ公平・民主的な機関として確立すること。
(3)再生可能エネルギー中心の政策に転換すること。
5、反核・平和と国民主権を強化・充実する要求
(1)安全保障関連法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を取り消すこと。
(2)憲法改悪は行わないこと。
(3)沖縄・普天間基地を無条件撤去し、辺野古への新基地建設を行わないこと。
以上

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