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主張 核兵器廃絶へ世論を広げ政治の転換を

2019.07.25

 8月は鎮魂の月だ。6日が広島原爆忌、9日は長崎原爆忌、そして15日の終戦(敗戦)の日と続く。74年間途切れることのない反省と未来への決意にみち満ちた日本の夏の情景である。
 外国人向けの旅行・生活・文化情報サイトであるジャパンガイドを運営するステファン・シャウエッカーによると、広島平和記念公園や長崎平和公園、沖縄平和祈念公園は必ず満足度調査の上位にランクされるという。日本を訪れる外国人の多くが、平和を希求するシンボルとしてこれらを挙げているのだ。
 しかし、トランプ大統領の親愛なるパペット安倍総理は、ことごとくこの鎮魂の意を踏みにじる行為を繰り返してきた。数々の歴史修正や集団的自衛権行使を容認する安保関連法など枚挙にいとまがないが、極めつきは、トランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦したことだろう。そして、世界で唯一の被爆国であるにもかかわらず、2017年7月7日に国連で採択された核兵器禁止条約に賛成もせず批准もしないまま今日に至っている。
 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲氏は、日本国民の三つの層に対して、訴えるべき内容を明確に述べている。第一に核兵器廃絶と禁止条約を明確に支持している層に対して。核兵器禁止条約に賛同するメッセージの拡散を期待するが、限られた左派のスローガンにとどまらない展開が必要であること。第二に、現政権とは異なる安保政策を追求する層に対して。米国の核による抑止効果の有無と永続性について広く議論すること。第三に現政権を信頼する層に対して。核兵器禁止条約に反対する米政権に引きずられずに条約に一定の評価を与えることだという。
 しかし、日本が安倍政権、米国がトランプ政権である限り、2国ともこの条約に加入することはないだろう。つまり、核兵器廃絶を実現するには政治の転換が求められるのである。
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