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新春政策研究会 「ポストコロナ社会をどう作るか?~『武器としての「資本論」』から考える~」 市場原理主義から脱却すべき時

2021.01.25

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白井聡氏(左上)が新自由主義の問題点などを講演。オンラインを合わせて53人が参加した

 新型コロナ禍の今こそ、新自由主義と決別しよう--。協会は1月9日、協会会議室およびオンライン配信で、新春政策研究会「ポストコロナ社会をどう作るか?~『武器としての「資本論」』から考える~」を開催。京都精華大学専任講師の白井聡氏が講師を務め、53人(会場25人、オンライン28人)が参加した。

   白井氏は、日本の政治家は誰も、新型コロナの感染拡大の責任を取ろうとしていないと批判。福島第一原発事故後も見られた政治の無責任さは、8月15日を「終戦の日」として「敗戦を否認」し、戦争責任すら誰もとろうとしなかった頃から変わらないとした。
 昨年8月までの安倍政権は、この「敗戦の否認」の典型だと指摘。辞任時も、新型コロナ危機へ対応できず追い詰められたためにも関わらず、「体調不良」とPRし、政策の問題をごまかしたと批判した。アメリカでは大統領選でトランプ大統領が敗北し、バイデン新政権は左派的政策を打ち出すなど変化の兆しが出ているが、菅首相は前政権から変化が全く見られないと指摘した。
 新型コロナ危機は、これまでの日本やアメリカの新自由主義的政策の問題点をいっそう露呈させたと紹介。新自由主義は、「小さな政府」や規制緩和、市場原理主義、自己責任論だけにとどまらず、人間の内面的な価値観や行動原理など「魂」までを資本の論理に取り込むとの見解を述べ、今回のコロナ危機を政策転換のきっかけとすることが大事だと訴えた。
 医療体制については、国民皆保険制度の堅持が重要であり、バイデン新政権が公的保険制度を拡充して民間保険市場が縮小してしまえば、日本への市場開放の圧力が強まることも懸念されると述べた。

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