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各市町に要望書 住民税「通知書」への従業員の個人番号記載は中止を

2017.03.25

 総務省が市区町村から各事業所に向けて郵送される住民税の「特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者用)」に、従業員のマイナンバーを記載するよう指示していることに対して、協会は2月25日の第1053回理事会でマイナンバー記載の中止を求める要望書を採択し、兵庫県下の各市町に送付した。
 自治体が総務省の指示通りに実施すれば、今年5月から従業員のマイナンバーが記載された通知書が事業所に送付されることになるが、以下の点で重大な問題がある。
 (1)住民税の特別徴収は、従業員の住民税を事業者が給与から天引きして納める方法だが、本来この手続に従業員のマイナンバーは必要ない。
 (2)マイナンバーが記載された通知書が届けば、事業所には厳重な管理義務が課せられることになる。
 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下、番号法)では、万一情報漏えい等を行った場合は「4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」などと定められており、取扱規程の策定や物理的安全管理措置などを講じるための事務・費用負担が医業経営を圧迫することとなる。
 (3)マイナンバーを事業所に提出しない従業員にとっては、自分の意思にかかわらず番号が事業所に伝わることになる。番号法では個人に対して番号の提供を強制する規定はなく、プライバシー権の侵害が指摘されている。
 (4)マイナンバーが記載された通知書を送付する自治体の負担も大きくなる。郵送方法に定めはなく、これまで通り普通郵便で送付予定の自治体もあるが、郵便事故などにより個人情報が漏洩すれば損害賠償請求などのリスクが高まることが懸念される。しかし、簡易書留などを利用すれば郵送料が大幅に増えることになる。そのためマイナンバー欄にアスタリスクを印字する方針(東京都中野区)や、記載自体を行わない(東京都北区、高知市)自治体も出てきている。
 総務省は自治体が通知書に番号を記載せずに送付することに関して「自治体に番号法・税法上の罰則はない」としている。
 協会は要望書でこれらの点を指摘し、各市町に通知書へのマイナンバー記載の中止、個人番号の記載欄を追加した改正省令の撤回を要求する国への意見書の提出を求めている。 

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