兵庫県保険医協会

2011年８月８日
兵庫県知事　井戸 敏三　様

 

　兵庫県は、このほど「県立こども病院建替整備基本構想（案）」を発表し、同時に県民に対して意見を求めるパブリックコメントを、8月2日から開始した。ところが、県の発表した「基本構想（案）」には、こども病院を新中央市民病院隣接地に移転する方針であることが、一言も触れられていない。「立地場所」としては、「現地建て替えを含めて検討を行い、次の条件に適合する用地を確保する」としているのみである。しかし、兵庫県はすでに「地域医療再生計画（案）」を国に申請し、この中で新中央市民病院隣接地に移転するとの方針を示している。国には、はっきりと新中央市民病院隣接地、すなわち先端医療産業都市への移転を表明しながら、県民に対しては、なぜ、「現地建て替えを含めて検討」などとしているのか。このような県民に正しい情報を知らせないやり方で、「基本構想（案）」に対する県民の意見聴取を行うのは、県民だましにも等しいやり方である。当会は、今回のパブリックコメントに厳しく抗議するとともに、ただちに中止するよう申し入れるものである。なお、当会はこども病院が果たしている重要な役割に鑑み、会員アンケートを実施するなど、今一度、こどもの環境に対しての考え方、それに伴うこども病院のあり方について、大いに討議することにしており、今後、開業医の意見に十分、耳を傾けていただけるようお願いする次第である。