兵庫県保険医協会

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【決議】兵庫県保険医協会第46回総会決議

2014.06.16

兵庫県保険医協会第46回総会決議
 


 政府与党は、19本もの法案を一括した「医療・介護総合法案」を、まともな審議も行わず衆議院で可決し、参議院でも強行可決しようとしている。
 本年4月の診療報酬改定は事実上のマイナス改定であり、安上がりの在宅医療を開業医に押しつけ、入院では急性期病床の大幅削減を強引に誘導するものである。政府は、医療・介護への国庫負担を縮小するために、医療難民や介護難民が増えても、その責任を取らず、現場の医師や介護従事者に困難と責任を転嫁しようとしている。
 さらに、4月に強行された消費税増税は、国民生活を一層困難にしているだけでなく、医療機関にさらなる損税を強いるものであり、医療経営の悪化と医療崩壊をさらに進めている。
 政府は、消費税増税を中心とする国民の負担増や、社会保障給付削減を行う理由として財政悪化を挙げている。しかし、財政悪化の主因は、デフレと低成長の中で、大企業優遇税制を重ねてきた失政の結果であり、財政悪化の責任を社会保障費の増加や国民に転嫁することは許されない。
 こうした中で、安倍内閣が、さらなる法人税引き下げなど、大企業優遇政治を一層強めようとしていることは、社会保障にたずさわるものとして断じて容認できない。先進国最低水準の社会保障費を引き上げるためには、過去最高益を更新している大企業に応分の負担を求めるなど、税と社会保障の本来の役割である所得の再分配により、社会保障の財源を確保することこそが求められている。
 安倍内閣は、現在の憲法のままでも集団的自衛権の行使は可能であるとの見解を閣議決定しようとしている。立憲主義を否定するこのような暴走は、9条はもとより、憲法全体を空文化させるものであり、このような解釈改憲は憲法99条違反であり、到底許されるものではない。
我々は、平和憲法を守り、社会保障を基盤とした福祉の国づくりへの道を希求し、下記の要求実現をめざして全力をつくすことを表明するものである。

一、「医療・介護総合法案」を廃案にすること。
一、「選択療養」などと称する混合診療解禁を行わないこと。
一、「同一建物」在宅報酬の大幅引き下げなど、診療報酬の不合理を緊急是正すること。
一、消費税増税を元にもどし、医療にはゼロ税率を導入して消費税を還付すること。
一、保険でより良い歯科医療を実現するため、保険適用の範囲を拡大すること。
一、患者窓口負担を大幅に軽減し、子どもの医療費は中学3年生まで無料にすること。
一、TPP交渉から撤退すること。
一、東日本大震災における一部負担金免除措置を再開し、全被災医療機関の再建に公的支援をおこなうこと。
一、「エネルギー基本計画」は原発ゼロを目標とすること。原発は再稼働せず廃炉にすること。
一、危険なオスプレイの飛行訓練をやめ、兵庫県でも行わないこと。
一、集団的自衛権の行使を現憲法のもとで可能とする解釈改憲は行わないこと。
一、平和憲法を守り、憲法通りの国づくりをめざすこと。

以上、決議する。

2014年6月15日 兵庫県保険医協会第46回総会