兵庫県保険医協会

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【抗議文】安保法案の強行採決に強く抗議する

2015.07.25

2015年7月25日

安保法案の強行採決に強く抗議する

兵庫県保険医協会

第1022回理事会

 貴殿は、廃案・慎重審議を求める圧倒的多数の世論を無視し、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案を衆議院で強行採決した。集団的自衛権行使を容認する安保法案は、自衛隊の海外での武力行使に直結し、日本が海外での戦闘への参加につながる危険な法案である。兵庫県保険医協会は、いのちを守る医師・歯科医師の団体として、強行採決に強く抗議するとともに、法案をただちに撤回し廃案とすることを求める。

 同法案は、審議すればするほど違憲性が明白となり、多くの憲法学者などが憲法違反であると表明している。衆議院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者は、自民党推薦の参考人を含む3人全員が違憲であると断じている。これに対し政府は、法案が違憲であるという指摘から目をそらし、憲法を法律に適応させるという、憲法をないがしろにした発言をする始末である。

 政府与党は衆議院で十分な審議時間を確保したとしているが、関係閣僚は相次ぐ答弁の訂正、審議の中断などを繰り返しており、「存立危機事態=集団的自衛権行使」の具体的な事例すら答弁できていない。さらに委員会審議で、貴殿は、米軍等への後方支援(兵站活動)が国際的にも武力行使に当たることを認めたものの、自衛隊員や国民に対してリスクをまともに説明せず、「決めるべき時には決める」とし国民の反対意見を無視し続けている。

 マスコミの世論調査でも、過半数が法案に反対、法案説明について8割が不十分と答えており、300に迫る地方議会で慎重・反対の意見書が決議されている。全国各地で弁護士会や市民、若者により法案の撤回・廃案を求める運動が日に日に強まっている。

 7月9日、全国の医師・歯科医師など300名の医療関係者が集った院内集会には、聖路加国際病院・名誉院長の日野原重明医師から、「人のいのちの重要性を一番よく知る医師こそ平和の最前線に立って行動すべき」との力強いメッセージが寄せられ、多くの医師らから賛同が寄せられている。兵庫県保険医協会も、いのちを守る医師・歯科医師の団体として、海外での武力行使につながる安保法案に反対し、強行採決に強く抗議し、撤回・廃案を求めるものである。