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【抗議文】山口県は原発建設予定地への工事免許 延長許可を撤回するよう求める

2016.08.10

2016年8月10日

山口県知事 村岡嗣政殿

山口県は原発建設予定地への工事免許

延長許可を撤回するよう求める

  兵庫県保険医協会

環境・公害対策部長 森岡芳雄

 山口県は地域住民らの反対や東日本大震災による原発事故を受けて、2012年10月より中国電力が申請していた上関原子力発電所(仮)建設予定地の海面埋め立て計画に対し、延長申請を認めてこなかった。

 しかし、8月3日、この埋め立て工事の免許延長申請を受理し、2019年まで3年間延長することを認めた。

 現在、電力需給に差し迫った状況はなく、再生可能エネルギーには充分な将来性があり、節エネルギーにもまだまだ可能性が残っており、人口動態、産業構造の変容から見てもエネルギー需給が今後特段に逼迫するとも思えない。上関原発稼働後の重大事故発生時には、瀬戸内海すべてが高濃度の放射能に汚染されることは明白であり、被害を鑑みれば、原発が経済的でないことも国益・国富にかなうものでもないことは明らかである。

 埋め立て工事延長申請の認可は、上関原発の建設を容認し、瀬戸内沿岸のすべての住民を放射能汚染の危険に巻き込むものである。地方自治擁護の観点からも山口県知事は誤った国策に対して、断固として異を唱えるべきである。

 原発立地により交付される電源三法交付金や固定資産税による収入を当てにした地方再生は、安易であり、ふるさとを、人が生きていくために不可欠な1次産業を破壊する危険を冒すものである。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を排出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を容認することはできない。

 山口県知事に上関原子力発電所の建設予定地となる海の埋め立て工事の免許延長許可を撤回することを断固求める。