兵庫県保険医協会

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種苗法「改定」法案の廃案を求める声明

2020.05.23

声明

2020年5月23日
兵庫県保険医協会
第1112回理事会
種苗法「改定」法案の廃案を求める

 新型コロナウイルス感染症が拡大し、医療体制の整備や感染拡大防止、休業による損失補償をどう行うかが喫緊の課題となっている今国会で、「種苗法改正案」が提出されている。この法案は、これまで農家に原則として認められてきた登録品種の自家増殖を原則、許諾制とするものだ。

 農業者らでつくる「日本の種子を考える会」は、この法律が成立すれば、農家のタネ取りの権利が著しく制限され、許諾手続・費用等圧倒的多数の農家に大きな負担が課せられることとなり、地域の農業の衰退を招きかねないと、強く懸念を表明している。そして、本法案は、農業競争力強化支援法や2017年11月の農水省事務次官の通知に示されている公的な種苗事業を民間に移すという路線のもとに、事実上多国籍企業にその権利を移そうとしていることに根源的な問題があると指摘している。

 食は、いのち・健康の基本であり、日本の農業を維持・発展させることは、国民の命・健康を守ることにつながる。新型コロナウイルス感染症は国内の農業を守る重要性を明らかにしているが、本法案は完全に逆行した政策である。2018年4月の種子法廃止に続く暴挙であり、食糧自給、国家防衛戦略上の観点からも許しがたい。

 われわれは、いのちと健康を守る医療者として、日本の農業を衰退させる懸念のある本法案の見送りではなく、廃案と種子法の復活を求める。