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抗議声明  老朽化した美浜原発3号機再稼働 美浜町議会の同意表明の見直しを求める

2020.12.21

 抗議声明 

 

老朽化した美浜原発3号機再稼働
美浜町議会の同意表明の見直しを求める

 

兵庫県保険医協会

環境・公害対策部長 森岡芳雄

 

運転開始から40年以上が経過した関西電力美浜原発3号機について、同原発の立地する福井県美浜町議会は12月15日、再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。

しかし、大前提としている安全は確保されているとはとても言える状況ではない。先日、高浜原発4号機で蒸気発生器の配管の損傷が見つかった他、3・4号機では1次冷却水漏れや送電トラブルによる原子炉の緊急停止など度重なる事故や不備が明らかになっている。美浜原発では、この配管の老朽化により11人の死傷事故があった。さらに、12月4日には大阪地裁が、新規制基準の審査基準である基準地震動に問題があるとして、同社の大飯原発3・4号機の設置許可を取り消した。美浜原発も同様の審査基準により再稼働の認可を得ている。しかも稼働40年を超える老朽原発では、照射脆化などで原子炉圧力容器をはじめとする構造体は劣化しており、安全性は低下している。「原子力発電所は原則40年で廃炉に」というのが、福島第一原発事故を受けて、民主・自民・公明の3党合意に基づいて決められたルールである。

われわれは、いのちと健康をまもる医療従事者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。美浜町長には再稼働への同意を行わないよう求める。そして政府・関西電力には美浜原発3号機の再稼働を断念し、今すぐ廃炉を決定するよう強く求める。併せて、有効な地方創生対策を行わず、原発が廃炉になれば地域が立ちゆかなくなるような状況に美浜町をはじめとする原発立地自治体を追い込んだ責任は政府にあり、廃炉や再生可能エネルギーにとどまらない地域振興政策を地域に行うことを求める。