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抗議声明 老朽化した高浜原発1・2号機再稼働 高浜町長の同意表明の撤回と福井県知事の不同意を求める

2021.02.13

 協会は2月13日、表記の声明を発表し、関係機関に送付した。

2021年2月13日

抗議声明 

老朽化した高浜原発1・2号機再稼働

高浜町長の同意表明の撤回と福井県知事の不同意を求める

兵庫県保険医協会

第1127回理事会

運転開始から40年以上が経過した関西電力高浜原発1・2号機について、同原発の立地する福井県高浜町長は2月1日、再稼働に同意すると表明した。理由について「発電所は経済、産業、行政運営に影響を与える。稼働することが町の将来に資する」と発言したと報道されている。

11月に同町議会が同意したときにもわれわれは懸念を表明しているが、大前提としている安全は確保されているとはとても言える状況ではない。定期点検中の高浜原発3・4号機では蒸気発生器の配管の損傷が見つかった他、1次冷却水漏れや送電トラブルによる原子炉の緊急停止など度重なる事故や不備が起こっている。さらに、12月4日には大阪地裁が、新規制基準の審査基準である基準地震動に問題があるとして、同社の大飯原発3・4号機の設置許可を取り消しているが、高浜原発も同様の審査基準であり、しかも稼働40年を超える老朽原発では、照射脆化などで原子炉圧力容器をはじめとする構造体は劣化しており、安全性は低下している。「原子力発電所は原則40年で廃炉に」というのが、福島第一原発事故を受けて、民主・自民・公明の3党合意に基づいて決められたルールである。

また、福井県知事が指摘しているように使用済み核燃料の行き先は決まっていない。原発は非常に危険な核廃棄物を生み出し、その処理方法も見つかっていない極めて危険で不完全な技術なのである。われわれは、いのちと健康をまもる医療従事者として、高浜町長には再稼働への同意表明の撤回を求めるとともに、福井県知事には今後、同意表明を行わないよう求める。そして、改めて政府・関西電力に高浜原発1・2号機の再稼働を断念し、今すぐ廃炉を決定するよう強く求めるともに、有効な地方創生対策がなされず、地方が疲弊している中で、政府は、原発が廃炉になれば地域が立ち行かなるという地元の不安に応え、廃炉や再生可能エネルギーにとどまらない地域振興政策を行うことを求める。