兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2026年3月25日(2129号) ピックアップニュース

主張 非核「神戸方式」を活かして核廃絶 世界へ訴えよう

 1975年3月18日、「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」が神戸市会で採択された。
 これに基づき、神戸港に入港するすべての艦船に「非核証明書」の提出を義務付けることが決定され、以降50年間、米艦船の神戸港への入港はゼロだった。これは非核「神戸方式」として、核兵器を搭載した艦船の入港をさせない地方自治体の独自施策として注目されてきた。
 同方式は、地方自治体が世界の核兵器廃絶運動を進めるために先進的に行動する先例として評価され、他国の法律や核兵器禁止条約にも影響を与えてきた。
 しかし現在、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ侵攻、アメリカのベネズエラ大統領の拉致やイラン攻撃、フランスが核弾頭の増産を決めるなど、核抑止を前提とした危険な動きが世界各地で起こっている。
 国内でも、一部の国会議員が日本の核兵器保有について言及し、高市政権は「非核三原則」の見直しに言及し、「核を持たず、つくらず、持ち込ませず」の「持ち込ませず」を見直そうとしている。また、防衛力強化のため、自衛隊が円滑に利用できる「特定利用空港・港湾」の指定も進んでいる。
 そんななか、昨年2025年3月、神戸市は非核証明書の提出を受けないまま、初めて米艦船の入港を認めた。神戸市は核兵器を搭載していないことを政府に確認したから問題ないとしているが、50年にわたって続けてきた原則を崩すものである。また、市は、市民団体が毎年3月に開催し、市が長年後援してきた非核「神戸方式」のつどいへの後援を取りやめた。
 非核「神戸方式」に対する市の姿勢が問われている。
 市の姿勢として重要なのは、非核「神戸方式」を見直すのではなく、唯一の戦争被爆国の自治体として、核兵器廃絶のためにこの価値を国際的にアピールしていくことである。世界各国の都市と連携しこの方式を広げていき、港湾都市・平和都市として神戸を打ち出していくことは、自治体の魅力となる。神戸市長・神戸市会はこの価値を今一度再認識し、核兵器廃絶を世界へ訴えてほしい。
 核抑止力論が幅を利かせ、世界中で軍拡が進む今こそ、非核「神戸方式」の価値を改めて評価し、活用していくことが求められる。非核「神戸方式」を世界へ広げよう。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方