2026年4月15日(2131号) ピックアップニュース
主張
平和憲法について考える-正義の実践より強いものはない-
日々、患者の命と健康の最前線に向き合うわれわれ保険医にとって、決して相いれないものがある。それは無差別に命を奪い、社会基盤を根底から破壊する「戦争」である。懸命に命を救い日常を支える医療の営みと、国家の論理で命を奪う戦争は常に対極にある。私たちは平和憲法の理念を後退させる改憲を許してはいけない。
今、中東情勢をめぐって世界で起きているのは局地的な「報復の連鎖」ではない。世界の大国が主導する、国際法を無視した「戦争」である。そんななか、現政権が周辺諸国の不安を煽り、力による対抗に前のめりになることは、世界情勢の不安定化に拍車をかける危うさをはらむ。
現政権が進める改憲議論はこれを加速させ、かつての戦争体験を忘れ去り、命の尊厳を軽視し、我々の診療現場にも深刻な影を落としている。
現在、医療現場では命を守るために不可欠な医薬品や資材の不足が危ぶまれている。この状況は国家の資源が「命の基盤」よりも「軍備」へと優先的に配分されている現状の反映ではないか。国民の健康と生命を支える社会保障費を削り、軍備拡張へと回すことは、主権者として断じて許されない。
哲学者・柄谷行人氏は、憲法九条を、多数決などでは改変し得ない普遍的価値を持つものであると論じている。国家が国民を統治する「法」を監視し、主権者が国家権力そのものを縛る、主権者の最高規範こそ、現憲法であるという。そして、柄谷は、憲法九条はいまだ厳密な意味で実行されていない、この不変の理念を世界への「贈与」として現実の国際政治の中で実行すべきである、という。
私たちは九条に守られてきた一方で、いまだその理念は「実行されていない」。平和憲法の理念を、主権者として現実の政治に反映すること、軍事加担ではなく、医療物資の安定確保や社会保障の拡充、そして徹底した平和外交という「九条の実行」こそ、われわれが今求めるべき最優先事項である。
私たち医療者は、診療の最前線に身を置くことで、その実行に向け、日々前進している。そして、その歩みは阻まれることはない。正義の実践より強いものはないのだから。
今、中東情勢をめぐって世界で起きているのは局地的な「報復の連鎖」ではない。世界の大国が主導する、国際法を無視した「戦争」である。そんななか、現政権が周辺諸国の不安を煽り、力による対抗に前のめりになることは、世界情勢の不安定化に拍車をかける危うさをはらむ。
現政権が進める改憲議論はこれを加速させ、かつての戦争体験を忘れ去り、命の尊厳を軽視し、我々の診療現場にも深刻な影を落としている。
現在、医療現場では命を守るために不可欠な医薬品や資材の不足が危ぶまれている。この状況は国家の資源が「命の基盤」よりも「軍備」へと優先的に配分されている現状の反映ではないか。国民の健康と生命を支える社会保障費を削り、軍備拡張へと回すことは、主権者として断じて許されない。
哲学者・柄谷行人氏は、憲法九条を、多数決などでは改変し得ない普遍的価値を持つものであると論じている。国家が国民を統治する「法」を監視し、主権者が国家権力そのものを縛る、主権者の最高規範こそ、現憲法であるという。そして、柄谷は、憲法九条はいまだ厳密な意味で実行されていない、この不変の理念を世界への「贈与」として現実の国際政治の中で実行すべきである、という。
私たちは九条に守られてきた一方で、いまだその理念は「実行されていない」。平和憲法の理念を、主権者として現実の政治に反映すること、軍事加担ではなく、医療物資の安定確保や社会保障の拡充、そして徹底した平和外交という「九条の実行」こそ、われわれが今求めるべき最優先事項である。
私たち医療者は、診療の最前線に身を置くことで、その実行に向け、日々前進している。そして、その歩みは阻まれることはない。正義の実践より強いものはないのだから。



