兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2026年5月05日(2132号) ピックアップニュース

燭心

 WBCで日本チームは決勝トーナメントの初戦でベネズエラに逆転負けし、ベネズエラがアメリカに勝利し、初優勝した。アメリカに大統領を拉致された国が、スポーツでその敵討ちをした形となった▼スポーツを含むゲームには一定のルールがあり、ルール違反は反則負けである。国内政治では、憲法以下様々な法律というルールがある。そのルールを順守させるために警察があり、ルール違反を処罰する司法がある。一方、国際政治の場面においてはどうだろうか。国連憲章や、国際法はある。しかし国際警察や、国際司法機関にはなんら権限がなく、実質上機能していない▼かつて、アメリカは「世界の警察」を自負していた。しかし、第一次トランプ政権、次のバイデン政権では一挙にトーンダウンし、第二次トランプ政権では、完全に手をひいてしまった。そのなかで、ロシアによるウクライナ侵攻、アメリカによるベネズエラ大統領拉致、今回のイスラエル・アメリカによるイラン最高指導者の暗殺などの無法行為が平然と行われている。国連安全保障理事会の常任理事国が、みずからその権力を振りかざして、好き勝手に他国を攻撃しているのが現状である▼昨年のダボス会議でカーニー首相(カナダ)は、アメリカ、中国、ロシアの超大国以外の国(middle power)が手を携えて、これら超大国に対抗するように、と呼びかけた。われわれはもう一度、国際社会のモラルとルールを再構築する時期に来ているのではないだろうか。(際)
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