2026年5月05日(2132号) ピックアップニュース
緊急アンケート結果
中東情勢の影響で医療材料の不足・供給遅延が深刻化
協会調査で84.3%が供給に支障
協会は4月18日、「中東情勢の悪化等による医療材料の供給状況に関する緊急アンケート調査結果」を公表した。調査では、回答した医療機関の84.3%が医療材料の供給に支障があると回答し、医療提供体制の維持に重大な影響が出ている実態が明らかとなった。
調査は4月3日から16日にかけて実施され、県内会員6003件(医科3977件、歯科2026件)を対象に行われた。回答は485件で、回答率は8.1%であった。供給状況について「支障がある」と答えたのは全体の84.3%に達し、「支障はない」は15.1%、「無回答」は0.6%にとどまった(図1)。診療科別に見ても、精神科で53.8%、小児科で58.8%と過半数を超え、内科では80.7%、外科では93.3%、歯科では97.2%と極めて高い水準となった。麻酔科では100%が「支障あり」と回答しており、特に処置や手術を伴う診療領域で影響が顕著となっている。
供給に支障がある製品カテゴリーでは、感染対策関連が424件と最多で、全体の中でも突出している。これに続いて注射・穿刺関連が159件、その他が82件、輸液・投与関連が66件と、日常診療の基盤を支える分野で広範な不足が生じている(図2)。単なる件数の問題にとどまらず、透析や手術など患者数の多い領域では影響がさらに大きい可能性が指摘されている。
現場からは、「局所麻酔薬の欠品により手術を延期した」「妊婦に使用可能な麻酔がなく治療できない」といった、診療制限に直結する声が寄せられた。また、「再入荷の時期が分からず毎日調達に追われている」「入荷時に価格が2倍以上になることもある」との指摘もあり、供給不安と価格高騰が同時に進行している実態が浮かび上がった。供給見通しの不透明さにより、「突然納品できないと言われるのが怖い」「常に在庫確認を続けなければならない」といった業務負担の増大も深刻な問題となっている。
今回の調査は、医療材料の多くが石油化学原料に依存している構造的問題も示している。プラスチック製の輸液セットや注射器、カテーテル、さらには医薬品原薬に至るまで広範な領域で石油由来素材が使用されており、中東情勢の影響がサプライチェーン全体を通じて医療現場に波及している。さらに、医療機器の多くが依存するエチレンオキサイド滅菌も石油由来であるため、供給網の一部の停滞が医療提供体制全体に連鎖的な影響を与える構造が明らかとなった。
協会は「医療提供体制の根幹を守るためには、現場の実態に即した迅速な対応が不可欠」として、戦争の早期終結と国際物流の安定化を求めるとともに、患者への影響を最小限に抑えるための緊急対策の実施を強く訴えている。
調査は4月3日から16日にかけて実施され、県内会員6003件(医科3977件、歯科2026件)を対象に行われた。回答は485件で、回答率は8.1%であった。供給状況について「支障がある」と答えたのは全体の84.3%に達し、「支障はない」は15.1%、「無回答」は0.6%にとどまった(図1)。診療科別に見ても、精神科で53.8%、小児科で58.8%と過半数を超え、内科では80.7%、外科では93.3%、歯科では97.2%と極めて高い水準となった。麻酔科では100%が「支障あり」と回答しており、特に処置や手術を伴う診療領域で影響が顕著となっている。
供給に支障がある製品カテゴリーでは、感染対策関連が424件と最多で、全体の中でも突出している。これに続いて注射・穿刺関連が159件、その他が82件、輸液・投与関連が66件と、日常診療の基盤を支える分野で広範な不足が生じている(図2)。単なる件数の問題にとどまらず、透析や手術など患者数の多い領域では影響がさらに大きい可能性が指摘されている。
ニトリル手袋「入手不可」106件
具体的な品目別の供給状況では、ニトリル手袋で「入手不可」が106件、「納期遅延」が91件、「数量制限」が85件と報告され、供給制限が複合的に発生している(図3)。麻酔薬では入手不可が39件、遅延が25件、シリンジでは入手不可20件、遅延30件、消毒用アルコールでも入手不可17件、遅延13件と、各品目において「入手不可」が一定割合を占め、単なる納期遅延にとどまらず、診療の継続そのものを困難にする水準に達していることが特徴的である。現場からは、「局所麻酔薬の欠品により手術を延期した」「妊婦に使用可能な麻酔がなく治療できない」といった、診療制限に直結する声が寄せられた。また、「再入荷の時期が分からず毎日調達に追われている」「入荷時に価格が2倍以上になることもある」との指摘もあり、供給不安と価格高騰が同時に進行している実態が浮かび上がった。供給見通しの不透明さにより、「突然納品できないと言われるのが怖い」「常に在庫確認を続けなければならない」といった業務負担の増大も深刻な問題となっている。
今回の調査は、医療材料の多くが石油化学原料に依存している構造的問題も示している。プラスチック製の輸液セットや注射器、カテーテル、さらには医薬品原薬に至るまで広範な領域で石油由来素材が使用されており、中東情勢の影響がサプライチェーン全体を通じて医療現場に波及している。さらに、医療機器の多くが依存するエチレンオキサイド滅菌も石油由来であるため、供給網の一部の停滞が医療提供体制全体に連鎖的な影響を与える構造が明らかとなった。
戦争の早期終結と緊急対策の実施を
協会は今回の結果について、「医療材料の供給不足は診療の継続性を脅かし、患者の生命に直結する重大な危機」と指摘。そのうえで、麻酔薬や輸液、手袋など重点品目の優先供給や供給見通しの定期的な公表、物流支援、価格高騰への対策に加え、原材料調達の多元化や国内生産体制の強化など、中長期的な制度対応の必要性を強調している。協会は「医療提供体制の根幹を守るためには、現場の実態に即した迅速な対応が不可欠」として、戦争の早期終結と国際物流の安定化を求めるとともに、患者への影響を最小限に抑えるための緊急対策の実施を強く訴えている。



