兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2026年6月15日(2135号) ピックアップニュース

政策研究会 高市政権の経済アドバイザー 会田卓司氏が講演
医療を「コスト」から未来の「投資」へ

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「新自由主義」を批判し、国が投資を促進すべきと訴えた会田氏

 長引く日本経済の停滞からいかに脱却し、地域医療を守るか--。協会は5月31日、政策研究会「高市政権の経済政策と日本経済再生のマクロ戦略」を開催した。日本成長戦略会議委員であり、高市政権の経済アドバイザーを務める会田卓司氏(クレディ・アグリコル証券チーフエコノミスト)が講演し、会場とオンラインあわせて49人の会員が参加した。

 会田氏は、日本経済の長期停滞について、少子高齢化が原因ではなく、真の要因は国内の投資不足であると指摘。バブル崩壊や金融危機以降、企業が賃金や投資などの国内支出を限界まで切り詰め、コストカットと借金返済に邁進するコストカット型経営に転じたことが、総需要を壊しデフレ不況を招いたと解説した。この構造を打破するため、官民連携の投資拡大によって企業の背中を押し、生産性を高めて実質賃金上昇につなげる「高圧経済」への転換が必要だと強調した。
 特に、これまで日本の政策運営を支配してきた「新自由主義」について、会田氏は「政府の関与を小さくし民間に任せれば効率化するという考えだが、目先の収益や株主評価を最優先するあまり、中長期的な投資の不足と賃金の低迷という事態を招いた」と批判した。さらに、競争激化で疲弊した低所得層を自己責任論で切り捨て、深刻な格差と社会の分断を招いたと告発。財務省が掲げる「プライマリーバランス黒字化目標」にあらわれる緊縮路線については、経済拡大の責務を放棄し、かえって財政悪化を招いたと述べた。
社会保障費抑制打破し未来への投資へ
 社会保障費に関しても、財務省が高齢化の進展度合い以上に医療費の伸びを過度に抑制してきたと指摘した。年金についても、永遠にマイナス成長が続くという前提で不必要なまでに基金を積み上げ、現役世代の社会保険料負担を重くしていると語った。
 会田氏は、負債から金融資産を差し引いた「純債務」で見れば日本の財政状況は大きく改善しており、将来世代への真の負担は国債ではなく「成長機会の喪失」であると主張。医療や社会保障を単なる「社会的コスト」として削るのではなく、課題解決型の成長戦略として、積極的に投資すべきだとした。
 とりわけ創薬・先端医療への投資は、高市政権が掲げる成長戦略分野の一つとして、日本経済を牽引する付加価値の高い産業を育成するべきだと述べた。また、日本が世界に先駆けて直面している少子高齢化という課題を「投資」によって解決すれば、その革新的な医療・介護モデルは、日本経済の巨大な付加価値になると訴えた。さらに、高圧経済のもとで持続的な経済成長が実現されれば、診療報酬の引き上げなど地域医療を守ることができると述べた。
 会田氏は「弱い需要に合わせて供給能力を縮小させてきたこれまでのコストカット型から、投資による国力の回復へ逆回転をかけるべきだ」と訴え、持続可能な社会保障と日本経済の再生を同時に実現する道筋を示した。
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