2026年7月15日(2138号) ピックアップニュース
談話 原発の新増設容認の日本
原発事故が奪ったものを直視せよ
環境・公害対策部長 森岡 芳雄
発災から15年が経つ中で、日常的に東北の被災地が報道されることはほとんどなくなりました。
そのなか今年も3・11が近づくにつれ、一部地域での催事や振興策が、復興が順調に進んでいるかのように大々的に取り上げられました。放射能汚染により今なお存続する帰還困難地域や避難住民についてあまりふれられることはなく、マスコミによる報道も私には津波災害に重点を置いたものが多いように思われました。
これまで何度か訪れた東北の被災地を今年5月に訪問しました。今回は、単独訪問の際に訪問先に津波被害のひどかった宮城県の湾岸地域を加え、今なお、町の85%が帰還困難区域で、住民基本台帳による実際の居住人口が3.5%(2025年1月現在)の双葉町をより詳細に見て回りました。
津波被災地では、あちこちに長大な防潮堤が築かれ、復興交付金により市町村ごとに1カ所許された津波被災建造物が「震災遺構」として多数開設されていました。GWのさなか、決して多いとは言えないけれどもそこには見学者や観光客、近隣住民、子どもの姿がありました。
一方、飯舘村の「道の駅までい館」に接する「ふかや風の子広場」に人影はありませんでした。復興で報道されたJR双葉駅前にはコンビニサイズのジャスコが開店していましたが、1時間ほどの間に訪れた人は10人ほど。駅周辺にあるのは、町立の診療所と公営住宅だけで、駅前の旧居住地はほとんどが更地と廃屋で占められていました。駅から500mも離れれば、帰還困難区域が広がり、その中の立入規制緩和区域に入れば、1~数μSv/hの放射線量が計測され、15年前から時間が止まったように放置された家屋や車両が雑草に覆われ、朽ちていっていました。
最悪の場合、日本は東半分の国土を失い、世界中に高濃度放射能汚染をまき散らしたかもしれない福島原発事故。居住地と林業、農業、水産業、暮らしの基盤である一次産業を15年間もの間奪われた人々に元の人生は戻ってきていません。この事実に私たちは、日本国民として向き合わなければならないはずです。
政府はこの事態の揉み消しと自分たちの利益のために被災住民を置き去りに、『福島イノベーション・コースト構想』という技術的には周回遅れの産軍共同事業とも思える企業誘致・支援を継続しています。
そしてアメリカと大企業と資産家と利己的な政治家のための国家運営がなされ、原発の新増設が公然と語られる国、日本。国政を一人ひとりの手に取り戻す、国民の見識が今、問われています。
原発事故の現状に目を向けてください。
環境・公害対策部では9月5日、西宮・芦屋支部と共催し、市民公開講演会を開催します。多くの方にご参加いただき、福島からの声に耳を傾けていただきたいと思います。
そのなか今年も3・11が近づくにつれ、一部地域での催事や振興策が、復興が順調に進んでいるかのように大々的に取り上げられました。放射能汚染により今なお存続する帰還困難地域や避難住民についてあまりふれられることはなく、マスコミによる報道も私には津波災害に重点を置いたものが多いように思われました。
これまで何度か訪れた東北の被災地を今年5月に訪問しました。今回は、単独訪問の際に訪問先に津波被害のひどかった宮城県の湾岸地域を加え、今なお、町の85%が帰還困難区域で、住民基本台帳による実際の居住人口が3.5%(2025年1月現在)の双葉町をより詳細に見て回りました。
津波被災地では、あちこちに長大な防潮堤が築かれ、復興交付金により市町村ごとに1カ所許された津波被災建造物が「震災遺構」として多数開設されていました。GWのさなか、決して多いとは言えないけれどもそこには見学者や観光客、近隣住民、子どもの姿がありました。
一方、飯舘村の「道の駅までい館」に接する「ふかや風の子広場」に人影はありませんでした。復興で報道されたJR双葉駅前にはコンビニサイズのジャスコが開店していましたが、1時間ほどの間に訪れた人は10人ほど。駅周辺にあるのは、町立の診療所と公営住宅だけで、駅前の旧居住地はほとんどが更地と廃屋で占められていました。駅から500mも離れれば、帰還困難区域が広がり、その中の立入規制緩和区域に入れば、1~数μSv/hの放射線量が計測され、15年前から時間が止まったように放置された家屋や車両が雑草に覆われ、朽ちていっていました。
最悪の場合、日本は東半分の国土を失い、世界中に高濃度放射能汚染をまき散らしたかもしれない福島原発事故。居住地と林業、農業、水産業、暮らしの基盤である一次産業を15年間もの間奪われた人々に元の人生は戻ってきていません。この事実に私たちは、日本国民として向き合わなければならないはずです。
政府はこの事態の揉み消しと自分たちの利益のために被災住民を置き去りに、『福島イノベーション・コースト構想』という技術的には周回遅れの産軍共同事業とも思える企業誘致・支援を継続しています。
そしてアメリカと大企業と資産家と利己的な政治家のための国家運営がなされ、原発の新増設が公然と語られる国、日本。国政を一人ひとりの手に取り戻す、国民の見識が今、問われています。
原発事故の現状に目を向けてください。
環境・公害対策部では9月5日、西宮・芦屋支部と共催し、市民公開講演会を開催します。多くの方にご参加いただき、福島からの声に耳を傾けていただきたいと思います。



