2026年8月
【火曜】2026年度診療報酬改定の問題点
診療報酬とは、医療機関で受けた医療行為にかかる費用で、医療行為ごとに保険点数1点10円で設定されています。単なる医師・歯科医師の収入と誤解されがちですが、実際には、医療機関で働く看護師・薬剤師・検査技師など医療スタッフの専門的な技術料をはじめ、お薬・医療設備・検査などの費用が含まれます。保険診療で出来る医療が広がり、点数が適切に引き上げられれば、国民が公的保険で受けられる医療の質と量が増えることになります。
長年にわたる医療費抑制政策に、この間の急激な人件費や物価等の高騰が追い打ちをかけ、医療機関の診療縮小や閉院が現実の問題となっています。私たちの保険医協会をはじめとして医療界は診療報酬の10%以上の引き上げが必要と求めてきましたが、今年度診療報酬改定の改定率は+2.22%に留まりました。その内訳も使途を限定して別枠で切り出した「賃上げ対応分」や「物価対応分」が多くを占めており、これらを除いた純粋に療養の給付としての引き上げはわずか0.1%に過ぎません。「賃上げ対応」は届け出た医療機関にしか関係がなく、「物価対応分」も日銀による物価上昇予測には到底見合わない引き上げ幅です。一部メディアでは「30年ぶりの引き上げ幅」と報じられていますが、地域医療を守れる診療報酬にはなっていません。特に診療所の多くが実質マイナスになるようです。
また、医療行為に対する報酬ではなく、「国の行っている医療調査に協力する」ことや「国の推進するマイナンバーカードをキーとした『医療DX』に協力する」といった、療養の給付とは関係のない、政策誘導のために診療報酬が使われていることも無視できません。
また、広く使われている医薬品の保険外し、高額療養費の上限引き上げや、患者さんの所得だけでなく資産があることをもって窓口負担割合を増やすなど、患者に対する負担増が次々と予定されていることも重大です。必要な医療が受けられなくなる人が出てくる恐れがあります。
安心して医療を受けられるためには、診療報酬を十分に引き上げること、同時に患者負担を軽減させていくことが必要です。兵庫県保険医協会は国民のいのちと健康を守るため、不合理改善と診療報酬のさらなる引き上げを求め取り組んでいます。ぜひご協力ください。






















