兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

専門部だより

政策宣伝広報委員会だより

特別児童扶養手当に関する医療機関アンケート結果 診断書作成精神科 「明らかに対象でも不認定」64%

2026.07.15

 協会政策部は、精神または身体に障害のある20歳未満の児童を家庭で監護・養育する父母などに支給される「特別児童扶養手当」の診断書作成や認定状況、制度運用上の課題を明らかにするため、会員医療機関を対象にアンケートを実施した。診断書作成経験のある医療機関の50.0%が、不認定となるケースが「多い」または「時々ある」と回答。「明らかに対象と思われるが不認定」と感じた経験がある医療機関も52.2%に上った。

精神科を中心に認定基準「厳しい」
 調査は2026年4月17日から30日、精神科、心療内科、小児科、整形外科を標榜科に含む947医療機関を対象に実施し、91医療機関から回答を得た。
 認定基準について、適切だと思うか尋ねたところ、診断書作成経験のある医療機関では「非常に厳しい」26.1%、「やや厳しい」28.3%で、計54.4%が「厳しい」と回答した。精神科のみでは63.6%(「非常に厳しい」36.4%、「やや厳しい」27.3%)に上り、「適切」との回答はゼロだった。
不認定「多い・時々ある」50% 精神科では68%
 診断書を作成した患者が不認定となるケースについて、診断書作成経験のある医療機関の50.0%が「多い」または「時々ある」と回答。精神科のみでは68.2%に上った。
 さらに、「明らかに対象と思われるが不認定」と感じたケースが「よくある」「時々ある」とした医療機関は52.2%、精神科のみでは63.6%だった。
 日常的に患者を診療し、診断書を作成する医師の半数以上が、対象と思われるにもかかわらず不認定となるケースを経験していることが明らかになった。
7割が「基準分かりにくい」判定の透明化求める声
 認定基準について、診断書作成経験のある医療機関の71.7%が「分かりにくい」と回答。精神科のみでは81.8%に上った。
 認定上の問題点では「判定基準が不明確」が54.3%と最も多く、「障害の評価が実態と合わない」32.6%、「医師の意見が反映されにくい」30.4%、「地域差がある」28.3%と続いた。
 自由記載では、「明らかに適応があるのに落ちる」「今まで認定されていたのに落ちる」「ここ1年、兵庫県の不認定が著しく増えた」「ここ数年で認定が厳しくなった」との声が寄せられた。
 発達障害についても、「知的障害がないか軽度の場合、不認定になりやすい」「生活障害が強くても不認定になる」との指摘があった。診断名や知的障害の程度だけではなく、家庭や学校での生活上の困難、継続的に必要となる支援の実態を認定に反映する必要性が浮き彫りとなった。
兵庫で却下→大阪で認定保護者から地域差指摘
 協会は保護者へのインタビューも実施(下表)。
 自閉スペクトラム症とADHDがあり、食事介助など日常生活に常時支援を必要とする19歳男性は、「総合的に中度以上とは認められない」として一度は却下され、その後、申請を繰り返し、期限付きで支給が認められた。
 別の保護者は、兵庫県では申請が却下されたが、大阪府へ転居し、ほぼ同内容の診断書で申請したところ、約2カ月で支給が決定した。
最多の改善要求「判定の透明化」
 改善が必要な点として最も多かったのは「判定の透明化」で、診断書作成経験のある医療機関の56.5%が回答した。
 今回の調査では、診断書作成経験のある医療機関ほど、認定基準の不明確さや審査の透明性不足、障害の実態とのずれを感じていることが明らかになった。また、医療現場の声と保護者の経験は、ともに「なぜ不認定なのか分からない」という制度運用上の問題を示している。
 特別児童扶養手当を必要な家庭に公平かつ確実に届けるため、認定基準の明確化、判定過程の透明化、不認定理由の具体的な説明、再審査制度や診断書様式の改善が求められる。協会では、今後この調査をもとに県や厚生労働省に制度改善を求めていく。

図 特別児童扶養手当アンケートの主な結果(精神科)
2138_03_2.gif

表 保護者へのインタビューから
2138_04.gif

このページの先頭へ
勤務医部会だより 共済部だより 税経部だより 歯科部会だより 政策宣伝広報委員会だより 環境公害対策部だより 国際部だより 薬科部だより 保険請求Q&A 審査対策部だより 文化部だより 女性医師・歯科医師の会 融資制度のご案内 医療活動部だより