政策宣伝広報委員会だより
九条の会・兵庫県医師の会の講演会「憲法と国際社会」に99人 「平和のための努力」が必要 木村 草太 東京都立大学教授が講演
2026.08.25
憲法は「国家権力に向けられたルール」と強調した憲法学者の木村教授
木村氏は、憲法を「国家権力に向けられたルール」と説明。国家権力が歴史上繰り返してきた戦争、人権侵害、独裁という失敗を防ぐため、憲法で権力を制約するのが立憲主義だと述べた。
平和と憲法を考える際には、「憲法9条からではなく、国際法のルールから議論を始めるべき」と指摘。国連憲章は武力不行使を原則とし、個別的自衛権、集団的自衛権、国連安保理決議に基づく集団安全保障などに武力行使を限定していると解説した。
その上で、憲法9条1項が禁止する侵略戦争は国際法でも禁止されており、「9条1項はグローバルスタンダード」と強調。一方、日本国憲法はさらに踏み込み、日本に対する武力攻撃がない場合の武力行使を制約しているとした。
木村氏は、自衛隊の憲法上の位置づけについても解説。他国への空爆や地上軍派遣は、国内で行う「行政」とも、対話と合意を前提とする「外交」とも異なる「軍事」の権力に当たると説明した。大日本帝国憲法には統帥や軍の編成など軍事権限が明記されていたが、現行憲法73条には行政事務や外交関係の処理はあっても、軍を指揮・統制する権限は置かれていないと指摘した。
一方、自衛隊は日本が攻撃を受けた際に国内を防衛する組織で、その活動は「国内の防衛行政」として一般行政事務に含まれると説明。憲法上も「行政各部」の一つとして内閣の指揮監督を受けるとした。
質疑では、自衛隊はすでに行政各部として憲法の拘束を受けており、「憲法に自衛隊が明記されていない」とする言い方は、内閣総理大臣の指揮監督などの憲法上の拘束から自衛隊を解き放つことにつながりかねず、「非常に危険な言い方」だと強調した。
木村氏は、9条は武力行使の限界を定めるだけでなく、「平和のために、その場面その場面で最大限の努力を尽くす」ことを求める規定でもあると指摘。
9条から核兵器禁止や防衛費の上限が直接導かれるわけではないが、この「平和のための努力義務」を具体化するものとして、非核三原則や防衛費の抑制、武器輸出を制限するルールなどがつくられてきたと解説した。














