兵庫県保険医協会

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学術・研究

医科2012.05.15 講演

[保険診療のてびき] 第20回 日常診療経験交流会演題より 患者満足度の把握に外来アンケートを実施して

洲本市・たかたクリニック
高田 裕(医師)

1.はじめに
 当クリニックは、淡路島のほぼ中央郡部に位置する無床診療所である。
 通所リハビリを併設し、内科・小児科・消化器科・外科・リハ科・放射線科を標榜している。スタッフは医師1人、看護師3人、事務2人、ST1人、介護職員6人である。
 外来患者数は1日50~70人、一次救急対応、在宅ケア、予防活動に力を入れている。医療設備として、電子カルテによるペーパーレス、デジタルレントゲン撮影装置、超音波断層撮影装置、経鼻内視鏡、骨密度計、ホルター・負荷心電計、肺機能測定器、各種物療・リハビリ機器などがある。断酒会、趣味の会、パソコン勉強会などを定期的に実施している。
 このたび、客観的に患者満足度を把握することを目的として、外来アンケートを実施することとした。 1686_03.gif
2.アンケート結果
 2011年5月23日~28日の6日間に来院した患者全員に、無記名でアンケートを実施した。小児、高齢者で回答困難者については、付添者に回答してもらった。163人の回答が得られた(図1)。
 当クリニックを選んだ理由として、医師がいい61.3%、近いから47.9%、待ち時間が少ない36.8%、家族・知人のすすめ14.7%、評判がいい14.1%などがあがっていた(図2)。
 満足度では、医師の対応、受付窓口の対応、診察待ち時間、診察時間、看護師の対応、診療内容が上位を占めた。交通の便、清掃、待合室、駐車場、トイレ、自動販売機と続いた(図3)。
 最後に、「知人等に当クリニックを紹介したいと思いますか」という設問には、73%がそうしたいと回答した(図4)。
3.患者満足度をあげるために
 待ち時間を短く、診察時間を長くするためには、図5の実線で示す流れが理想であり、破線の流れを避けることである。
 そのための工夫として表1を、また、待ち時間短縮のために表2を実施している。
4.考察
 患者満足度に最も影響を及ぼす因子として、医療の質、医師の対応、職員の対応、待ち時間、診察時間などを想定し、対応してきた。今回アンケートを実施して、そのことが裏付けられた形となった。
 現在、待ち時間ゼロ作戦と称して、受付から帰るまで30分以内を目標に、様々な工夫をしてきた。電子カルテによるペーパーレス、呼び込みの工夫、説明へのパソコン活用、携帯端末の利用などである。
 今後も定期的にアンケートを実施し、満足度の向上をめざして、楽しい診療を実施していけるよう努力していきたい。
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