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[保険診療のてびき] 
高齢者糖尿病と在宅医療 〜地域連携による取り組みについて〜

医療法人社団 正名会 池田病院 院長  池田 弘毅先生講演

高齢者糖尿病の特徴
 わが国は超高齢化にともない、高齢糖尿病患者数も増加の一途をたどっている。高齢者糖尿病の特徴として以下のようなことが挙げられる。

・身体的・精神的・社会的に個人差が大きく多様性がある。
・口渇・多飲などの高血糖による自覚症状が出にくい。
・内因性インスリン分泌能が低下している。
・食後に著しい高血糖をきたしやすい。
・腎機能が低下している。
・低血糖の自覚症状を感じにくく、無自覚性低血糖や重篤な遷延性低血糖をきたすことがある。
・シックデイに陥りやすく急性代謝障害を起こしやすい。
・種々の合併症を有している患者が多い。

 高齢であるが少量でもインスリンを導入・継続せざるを得ない場合があるが、認知機能低下などで自己注射不可能な場合も多く、家族の援助や社会的サービスを利用するケースが増えている。
 また、高齢者は血糖変動が激しいことが多く、食後に著しい高血糖を認める場合でも夜間に無自覚性低血糖を起こしていることもあり、血糖日内変動をよく考慮した治療の選択が重要である。高齢者は低血糖に対する反応性も低下しており、無自覚性低血糖も増える傾向にあり、低血糖と認知症との関連も示唆されている。高齢者にはできるだけ低血糖を起こさない治療を選択していく必要がある。
 これらも踏まえ、昨年「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」が高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会より発表された(表)。
認知症による治療の問題点
 認知症による糖尿病治療の問題点としては、以下のようなことが考えられる。

・家族からの支援が得られない。
・家族外からの支援が得られない。
・糖尿病の生活管理・薬剤管理ができない。
・低血糖の自覚がなく、対処できない。
・認知障害の進行が速い。
・通院ができない。
・経済的問題 など
高齢インスリン治療者の在宅管理
 加齢に伴って個人差が大きくなる高齢者においては、インスリン治療に対する個別の能力や社会的環境を把握・評価して、在宅での管理形態を整えることが求められる。
 高齢インスリン治療者の在宅管理形態として以下のようなものが考えられる。

・自己管理(+援助)
・家族管理
・近医での管理
・公的サービス利用
・家族と公的サービス など

 高齢糖尿病患者は、地域全体で連携して治療することが、今後ますます求められている。それぞれの医療機関に応じたチーム医療を形成して医療の質や効率を上げるとともに、地域の糖尿病診療体制を構築し強化することが求められている。
 当院では地域の開業医や訪問看護ステーションなどとも密接に連携をとり、高齢糖尿病患者の治療・療養指導の一翼を担えるような体制づくりを強化しつつある。
(2月18日、在宅医療研究会より。小見出しは編集部)

表 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値) 1850_02.gif
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